B6157
バイオシミュレーション1
BIOSIMULATION 1
特設科目
Special Seminars
2 単位
実施形態 オンキャンパス
開催日程 秋学期 金曜日2時限,金曜日3時限
担当教員 内藤 泰宏(ナイトウ ヤスヒロ)
関連科目 前提科目(推奨): B6161,B6160,B6159,B6158,34190,34180,34170,34160
前提科目(関連): 90594,C2048,B6167,90630,60830,34100,B3206,B3213,14310,14300,B3214,14290,14280,14270,14260,B6144,14350,14340,B4004,13040,B4005,13100
開講場所 SFC
授業形態 実習・演習
履修者制限

履修人数を制限する

受入学生数(予定):約 20 人
選抜方法:課題提出による選抜

【課題内容】
下のURLで提示される課題を提出してください。

http://bit.ly/20biosim_screening

◯エントリー〆切日時:2020年9月28日(月) 17:00
◯履修許可者発表日時:2020年9月30日(水) 17:00

提出方法はシラバスの記載に従うこと

Only the selected students can take this course.

Number of students in the class (scheduled) : About 20
Pre-registration screening by submitted an assignment

【ASSIGNMENT】
下のURLで提示される課題を提出してください。

http://bit.ly/20biosim_screening

* Schedule: TBD

履修条件

使用言語 日本語
連絡先 ynaito@sfc.keio.ac.jp
授業ホームページ
同一科目

学生が利用する予定機材/ソフト等

細胞シミュレーション環境 E-Cell 3(BYOD)(初回授業で利用方法を説明します)

E-Cell simulation environment version 3(BYOD)

設置学部・研究科 総合政策・環境情報学部
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数 0
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GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/09/04 13:37:02

科目概要

生命の本質のひとつに、変化しつづけることがあります。生命システムが変化するようすを数学の言葉で記述し、コンピュータ上に再現するのがバイオシミュレーションです。「バイオシミュレーション1」では、生命現象のダイナミクスをコンピュータシミュレーションするための理論的背景の基礎を学び、実際にシミュレーションを実行するための基本的なスキルを修得します。実習にはSFCで開発された細胞シミュレーション環境「E-Cell」を利用します。学習内容は、数理生物学、計算生物学の基礎を中心に、微分方程式の基礎、コンピュータ言語Pythonの基礎も含みます。

The course will cover mathematical modeling techniques for simulating the behavior of biological systems at the sub-cellular level. Particular focus will be given to modeling various molecular and cellular processes. (i.e. enzyme reaction, population dynamics of bacteria, signal transduction in the cell, electrophysiological dynamics of ion channels, etc.) Topics include methods for mathematical modeling and computer simulation, design of simulation experiments, and analysis of results. Students will be expected to learn about:

- Fundamentals of differential equation system.
- Mathematical modeling of biological problems, and computer simulation of the model,
- Visualization and interpretation of simulation results.

授業シラバス

主題と目標/授業の手法など

生命科学の目的は、生命とは何かを解明することです。おそらく答え方はひとつではありません。しかし、ひとつの答えにたどりつくのも非常に難しい問題です。生命の特徴のひとつに、「生きている」ということがあります。「生きている」とは、何らかの活動があることです。なぜ「生きている」のかもとても難しい問題です。老衰で静かに亡くなった老人に、主治医が死亡を宣告した瞬間(老人は死んでいます)と、1時間前(老人は生きていました)で、いったい何が違っているのか、ということを考えると、ゲノムや生命分子のリストアップだけで生命を理解することに、どこか無理がありそうなことに気づきます。亡くなった老人と、その1時間前の生きていた老人の間にあるはずのひとつの明確な違いは、生きている期間には何らかの(生命)活動があり、死とともにそれらすべての活動が速やかに終熄していくという点があげられます。

バイオシミュレーションは、この「生きている」とは「動いている」ことである、というごく当たり前の点にこだわって生命科学を進めていくための手法のひとつです。そして、「動いている」ことにこだわる生命科学は、とても難しい領域でもあります。

この科目では、生命現象をモデル化およびシミュレートし、その結果から現象のメカニズムに迫っていく研究手法の基本を学び、体験します。

毎回の授業で、各履修者がプログラミングを含む課題に取り組む演習を行います。基本的に、第2時限に新しい単元の講義と演習を行い、次の回までに各履修者は課題を完成させ、次の回の第1時限に質疑応答を行って、その単元を終了します。

Course Objectives

By the end of the course, students should be able to:

1. Apply basic programming skills for biosimulation,
2. Explain the foundations for concepts and equations on dynamical biosystems,
3. Implement simple mathematic model using simulation softwares.

For many students of the class is their first formal introduction to biological modeling and simulation. Therefore the course aims not only to have students learn the practical simulation skills but also to see its mathematical concepts.

教材・参考文献

参考資料は、授業中に随時紹介します。

提出課題・試験・成績評価の方法など

毎回の授業で、実習の成果物や事前に掲出した課題の提出を求めます。また、最終試験を実施します。成績評語は、提出物の内容(80%)と最終試験(20%)の結果に基づいて判定します。

Grades will be based on:

- Hands on for each class 80%
- Final exam 20%

履修上の注意

履修者数によって授業形態を変更する場合があります。その場合には、随時説明します。

授業計画

第1回 環境の準備
[Introduction]

シミュレーションソフトウェア E-Cell3, プログラミング環境となる Jupyter notebook などを利用する環境を調え、簡単な計算問題に取り組みます。


第2回 集団進化のモデル化とシミュレーション(1)
[Modeling and simulation of population dynamics (1)]

複数の異なる性質を持つ個体群からなる集団で起こる進化のモデルとシミュレーションを学び、演習に取り組みます。


第3回 集団進化のモデル化とシミュレーション(2)
[Modeling and simulation of population dynamics (2)]

第2回の課題について質疑応答を行います。


第4回 自然選択のモデル化とシミュレーション(1)
[Modeling and simulation of natural selection (1)]

集団を構成する個体に起こる変異と、自然選択による淘汰とその結果を模倣する数理モデルとシミュレーションを学び、演習に取り組みます。


第5回 自然選択のモデル化とシミュレーション(2)
[Modeling and simulation of natural selection (2)]

第4回の課題について質疑応答を行います。


第6回 代謝経路のモデル化とシミュレーション(1)
[Modeling and simulation of metabolic pathways (1)]

複数の酵素反応が連鎖する代謝経路の数理モデルとシミュレーションを学び、演習に取り組みます。


第7回 代謝経路のモデル化とシミュレーション(2)
[Modeling and simulation of metabolic pathways (2)]

第6回の課題について質疑応答を行います。


第8回 神経細胞のモデル化とシミュレーション(1)
[Modeling and simulation of electrophysiology of neuron (1)]

神経細胞の「興奮」の数理モデルとシミュレーションを学び、演習に取り組みます。


第9回 神経細胞のモデル化とシミュレーション(2)
[Modeling and simulation of electrophysiology of neuron (2)]

第8回の課題について質疑応答を行います。


第10回 状態空間(1)
[State space (1)]

神経細胞の振る舞いについて、興奮した細胞が自律的に静止状態に復帰するメカニズムを探ります。


第11回 状態空間(2)
[State space (2)]

第10回の課題について質疑応答を行います。


第12回 パラメータ空間(1)
[Parameter space (1)]

神経細胞の振る舞いについて、モデルパラメータを変えることにより、細胞の性質がどう変わるか、どんな細胞が出現しうるかを探ります。


第13回 パラメータ空間(2)
[Parameter space (2)]

第12回の課題について質疑応答を行います。


第14回 まとめと最終試験
[Conclusion and Final exam]

今学期の授業内容を総括し、最終試験を行います。


第15回 質疑応答
[Q & A session]

最終試験の振り返りを含め、今学期の授業内容全般にわたる質疑応答を行います。


15回目に相当するその他の授業計画

今学期のすべての授業内容について、質疑応答を行います。

Q & A