2020年秋学期 - 研究会A / SEMINAR A
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A1101 研究会A SEMINAR A |
研究プロジェクト科目 Research Seminars 4 単位 |
ソーシャルセクターとヒューマンサービスの社会学
Sociology of Social Sector and Human Services
| 開催日程 | 秋学期 火曜日5時限,火曜日6時限 |
| 担当教員 | 宮垣 元(ミヤガキ ゲン) |
| 関連科目 |
前提科目(推奨): B6051 前提科目(関連): X1007,B6112,C1039 |
| 授業形態 | ディスカッション、グループワーク、演習 |
| 履修者制限 | |
| 履修条件 |
なし |
| 使用言語 | 日本語 |
| 連絡先 | gen@sfc.keio.ac.jp |
| 授業ホームページ | 密かに構築中。今後一緒に作成してくれる人募集しています。 |
| 設置学部・研究科 | 総合政策・環境情報学部 |
| 大学院プロジェクト名 | |
| 大学院プロジェクトサブメンバー | |
| ゲストスピーカーの人数 | |
| 履修選抜・課題タイプ=テキスト登録可 | false |
| 履修選抜・選抜課題タイプ=ファイル登録可 | false |
| GIGAサティフィケート対象 | |
| 最終更新日 | 2020/07/03 09:06:14 |
研究会概要
目的・内容
ボランティアやNPO/NGO、ソーシャルビジネスなど、今日ではよく知られている諸活動も、遡れば1995年の阪神・淡路大震災におけるボランティア・ムーブメントがその重要な契機となっています。この間、日本のNPOを取り巻く状況は大きく変わりました。実践も実に多様になってきており、災害救援のみならず、まちづくり・地域活性化やヒューマンサービスから、新しい事業創造まで、大きな影響力を持つようになってきました。また、社会起業家やソーシャルビジネスが生まれたのも、企業のCSRや社会性の高い消費に関心が高まったのも、セクターを超えたダイナミックな協働も、この間の出来事と言っていいでしょう。これらに共通するのは、公共性の高い活動を、ネットワークやコミュニティの原理を活かしながら行うという点で、様々な社会課題の解決にあたり、その重要性はますます高まっています。
この研究会では、医療・福祉や教育、子育て、相談などの諸活動に、まちづくりなどを加えた「ヒューマンサービス」分野を主な対象とし、NPO/NGOやソーシャルビジネス、企業のCSRや行政との協働などの「ソーシャルセクター」が果たす役割、可能性、課題や方法論について理論と実証の双方からアプローチします。
2014年度より始まったこの研究会では、阪神・淡路大震災からの20年間に何が起こり、何が生まれ、どのような成果を生み出してきたのかという「日本のNPO/NGOの20年」の検証を多角的に行ってきました。昨年度からは、そうした歴史を重視しつつも、現在進行中の諸活動や今後のあり方、すなわちソーシャルセクターの未来に目を向けたいと考え、研究活動を進めています。
具体的には、全員がグループワーク(プロジェクト)と個人研究を平行して行います。前者では、上記テーマのもと、テーマやケースに基づきグループで取り組みます。後者の個人研究では、それぞれ関心のある研究テーマをみずから企画・実践し、最終的に卒業研究としてまとめることを目指します。広く社会学的なものであればテーマは問いませんが、何らかのオリジナルの調査・実践を伴うものを必須としています。
個人研究の多様性が特徴で、過去の卒プロでは以下のようなテーマがありました。
- 「地域複合型自然保育の実態とその可能性-山口市上天花町とNPO法人もりのこえんを事例に」
- 「地域運営組織の形成・発展プロセスと地域社会の変容 ー島根県雲南市の「小規模多機能自治」を事例としてー」
- 「過疎地の学校の未来戦略 広島県立大崎海星高校の魅力化プロジェクトを事例に」
-「持続可能な消費に向けた行動変容の促進 ―個人による行動科学的アプローチの可能性―」
- 「「協働」概念の再定義 ” 神奈川のサードセクター ”構築にむけて」
- 「フィリピンにおける減災意識向上イベントの実施と検証 〜ザンバレス州オロンガポ市の事例〜」- 「ボランティアがある社会 -若者の語りを考察する-」
- 「シニアはなぜ「働く」のか 〜シニアボランティア活動が示す地域社会で生きていくということ〜」
- 「シェアリングエコノミーの社会的価値 -貨幣とコミュニケーションの視点から-」
- 「プロボノを通じた持続的市民活動の実現」
- 「地域のセーフティネットとしての子ども食堂 ~子供の貧困解決の一端を担う地域の役割~」
- 「シングルマザー向けシェアハウスの提案」
- 「日本における教育の変遷と未来 アクティブラーニングの可能性」
- 「チームプレーが社会的孤立者にもたらすもの ー『ビッグイシュー』のサッカープログラムを事例としてー」
-「地震災害時における地域コミュニティの被害抑制の効果の検証」
- 「京都・出町桝形商店街にある“つながり” 〜商店街がそこにある理由〜」
- 「戦略的投資としての社会貢献 -産学連携による社会貢献は戦略的投資となり得るか-」
- 「アフリカの貧困とセクター間の協働可能性 ―真の社会的包摂に向け、我々が貧困問題を考える理由―」
この他、NPOの評価、文化活動とまちづくり、子どもの貧困、地域での外国語教育、環境とデザイン、郊外都市研究などに取り組んでいる学生もいます。
NPO/NGO and Social Business in Japan originate from the volunteer movement in the Hanshin-Awaji great earthquake in 1995. The situation surrounded by NPOs in Japan has been changed since then. The activities have been diversified and empowered (influential) not only in the field of disaster relief but in the field of community design, human service and new business development. Social entrepreneurs and social business, CSR, social consumption and dynamic collaboration beyond sectors have been occurred for these years.
What is in common is that these activities in public aspect have been done based on the principle of networking and making community, and the significance has been more important to solve the various social issues.
In this seminar, you will learn the current situation, challenges, significance and possibility of the activities in "social sector" with the theoretical and practical approach. Group work (project) and individual research will be proceeded in parallel. You will discuss the theme and the case in group work and will put together what you learn in a paper as a graduation thesis.
評価方法
毎回の出席を前提に、グループ・個人による発表と期末レポート等により総合的に評価します。
教材・参考文献
進捗にあわせ適宜指定します。
関連プロジェクト
「みらいのまちをつくる・ラボ」で、宮垣研究室は以下のプロジェクトを行っています。大学院生主体での活動ですが、学部学生で希望する人はぜひ参加下さい。
・大井町コミュニティキャンパス・プロジェクト
・まちづくりの文法・プロジェクト(アクティブマテリアル・プロジェクト)
https://oimachi-keio.com
課題
随時、個人課題、グループワークなどがありますが、内容については進捗にあわせ指示します。平行して、各自の個人研究を進め、その進捗や成果も研究会内で発表、ディスカッションする機会を設けます。
来期の研究プロジェクトのテーマ予定
ソーシャルセクターとヒューマンサービスの社会学(仮)
その他・留意事項
まだ新しい研究会ですので、ゼミの歴史と文化をともに作ってくれる人歓迎します。なお、出席必須ですので、その点十分注意して下さい。また、他大学とのインターゼミナールや合宿など、通常の時間に代えて研究会を実施する場合もあります。
また、状況が見通せていないためにオンラインで実施予定(教室アサインなし)としていますが、実施形態については、状況に応じて臨機応変に変更することがあり得ます。事前に皆さんと相談しながら進めていこうと考えています。
授業スケジュール
グループワークへの取り組みを通して以下の内容をカバーしたいと考えています。
社会学の基本概念/ソーシャルセクターの基礎知識/理論:ソーシャルセクターの経済社会学/理論:情報と信頼の理論/ヒューマンサービスとNPO/新しいコミュニティの構想/中間支援組織・ネットワーク・協働/ソーシャルセクターの評価
また、研究会でのグループワークと平行し、個人研究として、4年生は卒プロを、3年生以下は卒プロを視野に入れた個人研究の構想・進捗について発表・ディスカッションする機会も設けます。受講者の関心や数に応じ内容や順番を変更する場合があります。