C1096
国際企業論
INTERNATIONAL ENTERPRISES
先端導入科目-総合政策-国際戦略
Frontier Courses (Intermediate) - Policy Management - International Strategy
2 単位
実施形態 オンライン(SFC教室から)
開催日程 秋学期 月曜日4時限,水曜日2時限
担当教員 琴坂 将広(コトサカ マサヒロ)
関連科目 前提科目(関連): 10320,10050,60320,42010
開講場所 SFC
授業形態 講義
履修者制限

履修人数を制限する

受入学生数(予定):約 193 人
選抜方法:課題提出による選抜

【課題内容】
通常は選抜をしていないのですが、感染症対策に伴う教室定員管理の関係上、履修選抜をします。

テキストに、学年、学部、氏名を記載の上、なぜこの講義を履修したいか、また自由記述のアピールポイント(自分をとるべき理由)を300字以内で記載してください。

履修するチャンスが最後になる4年生を最優先し、次に3年生を多少優遇します。昨年の履修者は292名でしたので、2/3程度は履修できるはずです。

◯エントリー〆切日時:2020年9月28日(月) 17:00
◯履修許可者発表日時:2020年9月30日(水) 17:00

◯テキスト入力

Only the selected students can take this course.

Number of students in the class (scheduled) : About 193
Pre-registration screening by submitted an assignment

【ASSIGNMENT】
通常は選抜をしていないのですが、感染症対策に伴う教室定員管理の関係上、履修選抜をします。

テキストに、学年、学部、氏名を記載の上、なぜこの講義を履修したいか、また自由記述のアピールポイント(自分をとるべき理由)を300字以内で記載してください。

履修するチャンスが最後になる4年生を最優先し、次に3年生を多少優遇します。昨年の履修者は292名でしたので、2/3程度は履修できるはずです。

* Schedule: TBD

履修条件

使用言語 日本語
連絡先 kotosaka@sfc.keio.ac.jp
授業ホームページ
同一科目

学生が利用する予定機材/ソフト等

zoom機材、及び討議に参加するためのスピーカー、マイクまたはイヤフォン等の一式

設置学部・研究科 総合政策・環境情報学部
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数 0
履修選抜・課題タイプ=テキスト登録可 true
履修選抜・選抜課題タイプ=ファイル登録可 false
GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/09/05 09:04:02

科目概要

 本授業は、経営学の一領域である国際経営論を、実践の科学としての側面と、社会科学としての側面の二つの側面から解説していく。
 国境を超えて経営を行うということ、それは領域を超えて経営を行うということとも言える。本講義は、今後の履修生のさらなる学習の起点となることも想定し、できうる限り広範に、国際経営が直面する課題、それを取り巻く理論体系、また最新の課題に触れる。
 単に企業の経営者が参照する理論体系としてだけではない国際経営論の魅力を伝えるため、紀元前の世界にまで遡り、そして数千年の歴史を経て、100年後の未来の世界がどのような経営環境となりえるかについても議論を重ねる。
 月曜日開講分は完全オンライン(ビデオ教材ならびに書籍論文等で学習し課題を提出)にて行い、水曜日開講分はオンライン(SFCの教室から配信)として、主にゲスト対談や討議セッションを行う。

This course is about International Business. The course explains about the firms that operate in the international business environment from two perspectives: management studies as practical knowledge and management studies as a field of social science. Thus, the course is designed to introduces the participants basic theories related to international business and the reality of global business operation in practice.

授業シラバス

主題と目標/授業の手法など

 本授業は、経営学の一領域である国際経営論を、実践の科学としての側面と、社会科学としての側面の二つの側面から解説していく。
 国境を超えて経営を行うということ、それは領域を超えて経営を行うということとも言える。本講義は、今後の履修生のさらなる学習の起点となることも想定し、できうる限り広範に、国際経営が直面する課題、それを取り巻く理論体系、また最新の課題に触れる。
 単に企業の経営者が参照する理論体系としてだけではない国際経営論の魅力を伝えるため、紀元前の世界にまで遡り、そして数千年の歴史を経て、100年後の未来の世界がどのような経営環境となりえるかについても議論を重ねる。
 国際企業は世界の経済に大きな影響を与える存在である。世界上位100位の経済体を企業の売上高と国家のGDPで評価したとき、実に約半数の経済体が国ではなく、企業であった。世界の対外直接投資の約8割が、世界上位500社の多国籍企業、特に欧州、米国、日本、中国の企業によって行われる一方で、 インドやブラジルなどの途上国からの企業や、また創業初期から国際化を行う企業の存在も着目されるようになった。
 特に過去数十年間にわたり、世界市場の均一性が大きく高まったと言われる。しかし、多くの「違い」を依然として保つ世界各地の様々な市場で充分な収益を実現するためには、個々の市場の独自性を本質的かつ理論的に理解することが必要となる。そして、その理解を元に、事業を構成してそれを運営する能力を培うことが求められるだろう。
 本講義では、現代の多様な国際企業の形態、それを理解するための基礎理論とその発展を理解する。第一に国と企業の境界を超えて存在する現代の多国籍企業の姿と、依然として多様性を保持する世界市場を理解する。さらに、現代の多国籍企業の戦略的課題について考察し、それらと戦う為に考案された理論的枠組を理解し、 また多国籍企業の責任に関して議論する。
 国際企業が経済にもたらす影響を、単に金銭面だけではなく、文化、社会的な側面まで広げて多面的に理解することで、今後のさらなる学習の基盤を築き上げる。また、理論とあわせて数々の事例を学ぶことで、理論を実用的に活用するための能力の素地を形成することを狙う。

This course is about International Business. The course explains about the firms that operate in the international business environment from two perspectives: management studies as practical knowledge and management studies as a field of social science. Thus, the course is designed to introduces the participants basic theories related to international business and the reality of global business operation in practice.
The course firstly covers the historical development of international business that starts more than 4 thousand years ago. Then describes how international business has developed over time, particularly due to the development of a variety of technologies that expanded the potential of global operation.
Further, the course gives the participants basic understanding of the relevant theories as well as the examples of the firm strategies and operations in the modern business environment. Then the class discuss how international business evolve over the dimension of time in the future, by reviewing the statistics and reports that indicates on-going changes in the globalised business environment.

教材・参考文献

琴坂将広. 2014. 領域を超える経営学 - グローバル経営の本質を「知の系譜」で読み解く: ダイヤモンド社.
Jones, G. 2007. 国際経営講義 : 多国籍企業とグローバル資本主義. 有斐閣: 東京.
浅川和宏. 2003. グローバル経営入門. 日本経済新聞社: 東京.

提出課題・試験・成績評価の方法など

水曜日のライブセッションへの出席

講義課題
特に月曜日のオンライン講義に対しては、講義課題を設定します。これは授業の理解度を図るものであり、履修者の到達度に基づき内容を決定します。

発言及び授業への貢献。
特に水曜日のオンライン(SFCの教室から配信)では、コメントや発言を評価します。討議や質疑において授業への貢献が認められる発言に対しては、別途記録し、それを平常点として加点します。逆に、参加態度に問題がある場合は、それを記録し、平常点として減点します。

評価は総合的に行います。すなわち、水曜日の講義に皆勤であり、かつ講義課題も全て提出があるものは、講義課題の内容が相対的に弱いとしても柔軟に評価します。逆に、授業への出席点が相対的に弱いものであっても、講義課題の内容が極めて優れているものに対しても、柔軟に評価します。

Attendance
-1 absence to the class is not counted toward the grade. More than 1 absence would influence the grade if the participant does not provide official document that is recognised by the university.

Short exams or short writings
- Short exams will be conducted several times as home work or in-class assignment.

Participation or contribution to the class
- Participation to the class discussion or good questions during the lectures will be counted toward the grade

履修上の注意

ゲストスピーカーの日程調整により、講義日程は前後する可能性があります。

月曜日の講義回は、必ずしも月曜日の該当する時間に視聴する必要はありません。水曜日の講義回は、ライブになります。可能な学生はSFCに来てください。機材等を整備し、可能な限りオンラインからも議論に積極的に参加できる環境を整備する予定です。

また、講義内容は履修者の理解度に応じて適宜調整しますので、ご理解ください。授業は原則としてシラバスにそって行い、基本テキストとして参考文献等を参考に作成したパワーポイントを用いて授業を進めます。教科書は可能であれば、出来る限り購入して読み込んで来て下さい。また購入できない場合は、必要に応じて図書館などで参照するなどしておいて下さい。授業中に、読んで分からない点は積極的に発言するようにして下さい。
また、参考図書として授業時間内にいくつか紹介しますのでそちらもぜひ参考にして下さい。

The course material will be circulated after the class in pdf or ppt format. The participants are expected to pre-read reference books or specified text book.

授業計画

第1回 (講義前学習)  前提知識 − 経営学、国際企業とは何か

講義全体の導入、課題の説明を行う。また、経営学とはどのような学問であり、そのなかで国際経営の研究がどのように位置付けられるかを理解する。講義前学習であるため、30分程度の動画教材にて、講義の概要を理解したうえで、各自、課題図書から概要を理解する。
 オンデマンド教材、書籍、論文等にて学習を行い、講義課題を提出する。


第2回 (第一週月曜日)  理論 ー 国際経営の歴史とグローバル化

多国籍企業の定義を議論し、それに基づいて国際経営の歴史をどこまで遡ることが出来るかを解説する国際経営とは何か。多国籍企業とは何か。その起源を紐解くところから、それに関連する根源的な理論の背景を追う。考古学の分野の最新の知見を元に多国籍企業と国際貿易の原型を俯瞰する。
 オンデマンド教材、書籍、論文等にて学習を行い、講義課題を提出する。


第3回 (第一週水曜日)  ゲスト対談またはクラス討議 − 現代の多国籍企業はどう経営されているか?

講義課題に基づいた討議、ゲスト対談を行う(予定)


第4回 (第二週月曜日)  理論 ー セミグローバリゼーションの進展、世界的価値連鎖の登場、そして停滞

 紀元前の世界から現代にかけて、国際経営がどのように広がってきたのか、その要因にはどのようなものがあるのかを解説する。それを現代の複雑な多国籍企業の実態と比較、その発展の背景となった文化的、技術的、政治的、その他の諸要因についての理解を深める。
 また、現代の企業経営は、国境を越えた価値創造の連鎖を理解しなくては語ることが出来ない。いくつもの企業が連携し、そして国境を超えて製品が作られ、サービスが提供されている現実を、身近な製品の事例を元に理解する。その上で、これらの企業が形作る企業の価値連鎖を、企業の立地と境界選択の理論から読み解く。
オンデマンド教材、書籍、論文等にて学習を行い、講義課題を提出する。


第5回 (第二週水曜日)  ゲスト対談またはクラス討議 − 世界的価値連鎖はどう進化するのか?

講義課題に基づいた討議、ゲスト対談を行う(予定)


第6回 (第三週月曜日)  理論 − 貿易理論の進化と対外直接投資

 多国籍企業の優位性の背景として、多国籍企業自身、またそれらが進出する各地域の優位性が様々な角度から研究されてきた。アダム・スミスまで遡ることが出来る国際貿易理論の発展を俯瞰することで、国際貿易の現状のみならず、企業が世界に散らばる「立地」を評価し、選択する際の基本的な要素を理解する。
 そのうえで、対外直接投資を理解する。多国籍企業は、単に領域を超えて取引を行うだけではなく、未知の国や地域に進出して事業を行う。なぜ、そのように未知の国や地域に進出して事業を行う価値があるのかを議論する。その上で、資源ベース理論、知識ベース理論、また制度派経済学の知見がどのように国際経営に対する理解を深めてきたかを理解し、企業がなぜ海外の「立地」を「内部化」するのかを理解する。
 オンデマンド教材にてビデオ学習を行い、講義課題を提出する。


第7回 (第三週水曜日) 演習・討議 ー 貿易は人々を豊かにするのか、しないのか?

講義課題に基づいた演習、討議を行う。


第8回 中間課題 ー Covid-19と国際経営の変化

雑誌記事検索を行い、Covid-19によって特にその国際経営の在り方を進化させた企業を発見し、その企業がなぜ、どのようにその国際経営を変化させたかを調査する。


第9回 (第四週月曜日) 理論 − 国際企業の組織と戦略

 経営戦略と、国際経営戦略は異なる。経営戦略で議論されている内容と、国際経営戦略で議論されている内容はどのように異なるのか。その根源的な違いを知る。
 その上で、典型的な国際経営戦略の型を理解し、その有効性と限界を議論する。そのうえで、世界各地に点在する多様な市場、そして複雑化する組織構造をどのように運営するべきか。代表的な多国籍企業論の理論的枠組を用いて、国際戦略に適合する組織をどのように作り出すべきかを学習する。
 オンデマンド教材にてビデオ学習を行い、講義課題を提出する。


第10回 (第四週水曜日)クラス討議 − Covid-19と国際企業の組織と戦略

中間課題の成果の共有し、それを基にクラス討議を行う。


第11回 (第五週月曜日)理論 − 新興国市場の成長と、企業の変化

 移行経済と呼ばれる旧共産圏の国々や、途上国と言われるアフリカや南米の国々は、独自の政治経済制度を持つ。 そのような市場がどのような特性を持つのか、そこにはどのような競合が存在するかを理解することから、先進国の多国籍企業がどのように戦うべきかを学習する。
 オンデマンド教材にてビデオ学習を行い、講義課題を提出する。


第12回 (第五週水曜日)ケース討議 − 新興国市場でいかに戦うか

ケース教材を用いて、討議を行う


第13回 (第六週月曜日)理論 − 国際企業の捉える世界経済の未来

 戦略検討に必要な要素は、第一に状況把握であり、その状況把握は遠い将来を見通したものでなければならない。既に予測可能な未来を通じて、100年後の世界がどうなるかを議論する。
 オンデマンド教材にてビデオ学習を行い、講義課題を提出する。


第14回 (第六週水曜日)クラス討議 − 講義の統括

学びの総括として、特に重要であったポイントに関して、教員からライブで解説し、適宜質問を受け付ける。


第15回 (講義後学習)レポート課題

2050年の国際企業に関して、レポート課題を与える(詳細は講義の理解度等を鑑みたうえで講義期間中に決定し、伝達する)


15回目に相当するその他の授業計画

小テストまたは小レポートを複数回行う可能性がある。これは授業の理解度を図り、個別学習を促進するものであり、履修者の到達度に基づき内容を決定する。小テストは5問から10問程度の選択、穴埋めが中心の予定であり、小レポートの内容は履修者の興味関心に応じて決定する。これらは宿題として行うか、または事前学習を指示した上で、授業中に行う。

The participants should expect several short exams or short essay writings. They are for individual studies, and the contents will be announced after understanding the preference of the percipients.