A1101
研究会A
SEMINAR A
研究プロジェクト科目
Research Seminars
4 単位

Society5.0時代における「ソーシャル・プロデュース(社会的価値創造)」と「共育」
Co-Education and Social Produce in Society5.0

開催日程 秋学期 水曜日5時限,水曜日6時限
担当教員 鈴木 寛(スズキ カン)
関連科目 前提科目(関連): C1160,B6180,B6004,B6032
授業形態 講義、ディスカッション、グループワーク、演習
履修者制限
履修条件

使用言語 日本語
連絡先 suzukanlab@gmail.com
授業ホームページ http://suzukan.sfc.keio.ac.jp/
設置学部・研究科 総合政策・環境情報学部
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数
履修選抜・課題タイプ=テキスト登録可 false
履修選抜・選抜課題タイプ=ファイル登録可 false
GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/07/07 10:39:16

研究会概要

目的・内容

これまでの鈴木寛研究会は、情報社会におけるソーシャル・プロデュースをテーマとして、多くのベンチャー起業家、社会起業家、大組織における新事業の立上げ担当者の育成に大成功してきたが、2019年8月に、SFC研究所にSociety5.0時代の学びと教育ラボラトリ(代表 鈴木寛)が創設されたこととと連動して、従来の「時代をつくるソーシャルプロデューサーの育成」に加え、「時代をつくる人を育む共育」について、研究し、実際に、共育プロジェクトを構想・企画・実現することを研究会の目的にを追加する。

インターカレッジの学生による自主ゼミもあわせると20年以上続いてきた「すずかんゼミ」の卒業生の多くは、現在、ユニコーン,ベンチャー企業,社会起業,NPO・NGO、政府、企業など様々な場において、まさに、社会的な意義とインパクトのある、エポック・メイキングなソーシャル・プロジェクトに関わり、大活躍している。わが国におけるITビジネス・エコシステムづくり、サッカーのエコシステム、プロ野球の再生、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックの招致、アクティブ・ラーニング、PBL、ライフサイエンス・イノベーション・エコシステムづくりなど、それぞれの分野で新時代を切り拓いてきた。

そうした先輩達に続くべく、すずかんゼミの学生たちは切磋琢磨しており、引き続き、鈴木寛研究会では、単なる起業にとどまるのではなく、新時代をつくる骨太な「エポック・メイカー」の育成を精力的に行っていく。

加えて、Society5.0時代においては、AIを使いこなし、AIではできない難問と向き合い乗り越えられる人材が必要となり、さらに、6割の若者が今はない職業に就くといわれている。代表教員の鈴木寛は、自ら、OECD教育スキル局が主催する「OECD教育2030」の役員や約50か国における教育の普及をめざす「Teach for All」のグローバル・ボードメンバーを務め、また、文部科学大臣補佐官として、2020年度から実施される新学習指導要領の改訂に携わってきた。そうした様々なプロジェクトに関わってきたすずかんとともに、新時代には、いかなる資質・能力が必要とされるか?そうした資質・能力を獲得するためには、いかなる学びが必要で、それを国内外に広めていくためにはそうしたらいいか?について、研究・実践を、2020年度から開始する。


【目的】: 本研究会の目的は、慶應義塾の目的である「全社会の先導者」を育成することである。今、時代は、人類史的大激動期を迎えている。これからの社会では、一部の人間が全社会の先導者になるのみならず、全社会の一人一人が先導者になっていかねばならない。本研究会は「時代をつくる先導者」を志す塾生や、「時代をつくる先導者」を育む「共育」の先導者を志す塾生が、出会い・交わり・響き・楽しみながら、プロジェクトの実現を通じ、生涯の友人・同志となっていくことを目的とする。

今期から、新共育創発コースと新社会創発コースと併設する。いづれかのコースを希望するかあらかじめ決めてから志望すること。二つのコースを同時に選択することは可能であるが、主と副とをあらかじめきめておくこと、また、途中での変更は可能とする。社会創発コースは、基本的には、従来のソーシャル・プロデュースを引き継ぐものである。

【共育創発コース】これからの社会づくりでは、一部の人々をリーダーとして養成するだけではなく、多くの人々がリーダーシップを獲得・発揮できるようになる「新たな共育」を広く社会に創発することが重要となる。新時代の共育を構想・企画し、実践・実現するためのプロジェクトを行う。  具体的には、①アクティブ・ラーニング(プロジェクト・ベースト・ラーニング,新教科「理数探究」「総合探究」を含む) ②先端技術を活用した学び ③板挟みや想定外と向き合い・乗り越える共育(新教科「公共」を含む) ④社会イノベーションを興す大学のプロデュースと等のテーマで、研究会代表者の鈴木寛とゼミ生が一緒になって、様々な学びや教育に関するプロジェクトを構想・企画・実現をめざす。
 なお、共育コースでは現在山口県萩市と協定を結び高校の魅力化を進めるプロジェクトを実施している。それ以外にも他地域と連携したプロジェクトを実施予定であり、このプロジェクトへのコミットがどれくらい可能かなどの要素も加味して選考が実施される予定である。具体的には最大で毎週の定例会議への参加や、それ以外の時間での作業、また実際に各地域へ現場入りしサポートに当たることなどを想定している。


【社会創発コース】:
ソーシャル・プロデュースとは、営利・非営利、政府・非政府の分野を問わず、 それぞれの分野で、様々な社会課題の発見・設定・解決や社会的価値の創造・普及などをめざす活動すべてを指す。こうした活動を成功に導くために必要な、想定外や板挟みと向き合い、様々な分野の人々と連携・協働・共創し、幾多の修羅場や困難を乗り越えられる知恵と勇気をもった人材に成長することを目指す。 現在、こうした人材は、NPO、NGO、大企業、ベンチャー企業、国際機関、政府機関、 地方自治体、メディア、病院、学校、地域社会など、様々な分野で必要とされている。ソーシャル・プロデュースの方法論をPCCPやSocial Resourcesなどのすずかんメソッドに基づいて学ぶ。さらに、Society5.0時代におけるソーシャル・プロデュースに必要な理論と教養(科学技術イノベーション史、経済産業史、複雑系の科学、自己組織化はじめ生命科学理論、公共哲学、インテリジェンス、演劇、指揮、作曲、熟議ワークショップ、等)を学ぶ。またゼミ生一人ひとりが実際にプロジェクトを企画・立ち上げ・遂行することで、『ソーシャル・プロデューサーとは何か』、「社会に対して価値を生み出すことは何か」という問いと真摯に向き合い、専門知と経験知を得る。


【研究会の特徴】机上で学ぶ知識だけでなく、すずかんゼミは『大学』の起源(ボローニャ大学)と慶應義塾の精神(実学・共育・半学半教・自我作古など)に立ち返り、学生自らが自らの学びをデザインしオーガナイズすることに重きを置いている。

 すなわち、教授に一方的に教えられるのではなく、自分たちが自分たちに必要な力を得るために、主体性(エージェンシー)をもって行動することが強く、強く、求められる。

 すべてのゼミ生は、学びのコミュニティづくりに積極的に参加しなければならない。自らのプロジェクトはもとより、自分が参加しているコミュニティが全体として成長していくために何が必要か、常に考え、提案・行動することが求められる。

 すべてのことを、学びの機会としてとらえ、活かしていかねばならない。自ら当事者として体験した実践におけるすべての混乱や失敗こそが学びのモチベーションを最大化する。

【 鈴木寛(通称:すずかん)】: 代表教員の鈴木寛自身が、通商産業省(経済産業省の前身)、慶應義塾大学環境情報学部助教授、参議院議員、文部科学副大臣、文部科学大臣補佐官、さらには、NPOの代表・役員、 大学教員、国際機関の一員として、IT、教育、医療、ライフサイエンス、スポーツ、文化、科学技術などの分野で 様々なソーシャル・プロデュースに関わってきた。鈴木寛についてもっと知りたい方はこちら。 http://suzukan.net/

【参照URL】:主な研究会活動やプロジェクトなどの詳細は、以下をご参照ください。
http://suzukan.sfc.keio.ac.jp/
http://sfcclip.net/news2014112108/
https://www.facebook.com/suzukanzemi/

The main purpose of SUZUKAN LAB is to educate social producers and social educator who will change and innovate the world. Main education method is based on "Project Based Learning" .

評価方法

本研究会は、中世の大学においては、まず、学生による組合が組織され、学生が教師を雇ってはじめられたという、大学のそもそもの成り立ちを重視し、また、慶應義塾が開塾以来重視してきた半学半教、社中協力、全社会の先導者といったコンセプトを極めて重視している。よって、学生の自主的自発的創発を大変重んずる。学生自らが、学生が自らの成長のために、自分たちの学びを自主的にデザインし、創意工夫を発揮するとともに、自らの学びのコミュニティの創造・進化を、日々、自発することを最大限重んじる。
学生の自主的自発的な協力要請に対して、鈴木寛および卒業生たちは、最大限協力・助言を惜しまないが、自主的自発的でない学生には、何ももたらされない、何も起こらない。ということを伝統としてきた。そのことが、Active Learner ,Epoch Makerの養成に大成功してきたという経験から、この伝統は引き続き継承する。よって、自ら動かないものに対しては、何の評価もなされないし、何の手も差し伸べられない。一方で、希望し要請すれば、学生は教員である鈴木寛が関与または推奨するプロジェクトに参加できるチャンスが与えられる、または、鈴木寛指導のもと、自らプロジェクトを立ち上げるチャンスが与えられる。
評価は、そのプロジェクトを通じて、いかに、Activeに準備し・挑戦したか、そして、当該プロジェクトの成功に貢献したかによって評価する。
改めて強調するが、社会変革の志なき、または、新時代の共育の開発と普及への思いなき学生、主体性、自発性を発揮しない・できない学生は、この研究会への参加は絶対にお薦めしないので、くれぐれも注意すること。なお、20春学期の公共哲学・教育スポーツ政策の受講者は、その授業での成績も評価の際の参考とする場合がある。

Ambition and Voluntary Attitude to make the world better

教材・参考文献

研究会において指定する。 近現代に活躍した人物の伝記、近現代史、複雑系、公共哲学、情報社会、多くの分野の文献を読み漁る。

金子 郁容 他『ボランタリー経済の誕生 -自発する経済とコミュニティ』/ 松岡正剛『情報の歴史』『知の編集術』/ ハンナ・アーレント『人間の条件】  鈴木寛『熟議のススメ』『クリエイティブ・ラーニング』『教育のワールド・クラス』

関連プロジェクト

課題

新規・継続問わず、履修希望者は志望理由をA4用紙にまとめ、7月31日までに以下のGoogle Formに回答する形で志望理由書及び、必要情報を入力してください。志望理由書はPDFでの提出を原則とし、ファイル名は「志望理由書_名前_苗字.pdf」にて保存してください。(例:志望理由書_hayate_tajima.pdf )また、書式・記載内容は指定しません。

Google Form URL:https://forms.gle/9QUBC3U6KtHYMRqW7

来期の研究プロジェクトのテーマ予定

歴史的考察・構想力の向上
 様々な組織・人・イベント・事象・事件の歴史的把握、
 未来年表の作成、
 自分の年表の作成

プロジェクト実践力の向上
①学生自らが実践しているプロジェクトをすずかん研究会に持ち込み、すずかんのアドバイスや学生からのサポートを受けながら、自らのプロジェクトを磨き続ける

②すずかんが主導するプロジェクトにメンバーとして加わる:山口県萩市高校生向け探究教育,新教科「探究・公共」などに関する教員研修,慶應幼稚舎等での小学生向けICT活用教育、瀬戸内海「犬島」における学術と芸術の大学村構想、U23サミットの企画・運営

③すずかんが協働するプロジェクトへのインターン等:マインクラフトカップ実行委員会、高校生マイ・プロジェクト・アワード,OECDイノベーティブ・スクール・ネットワーク、各種幼児教育プロジェクト、ラグビースクールジャパン立上げ、電動キックボード実験・実装・普及,日本橋や葛西におけるライフサイエンス・イノベーション・エコ・システムづくり、ガーナはじめアフリカなどにおける教育・健康プロジェクト支援、いのち未来学生フォーラム、大阪・関西万博WAKAZOプロジェクト、日本教育再興連盟(ROJE)、青春基地

その他・留意事項

授業スケジュール

通年(春・秋)を通して、理論と実践を行い続ける。

主な研究会行事としては、例年、
5月 ゴールデンウィーク合宿
7月 プロジェクト報告会
8月 卒業プロジェクト合宿
9月 夏合宿
11月 ORF出展
1月 卒業プロジェクト発表会
2月 プロジェクト報告会
などを実施しており、同様の予定。