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ヘルスコミュニケーション
HEALTH COMMUNICATION


2 単位
実施形態 完全オンライン
開催日程 秋学期 火曜日1時限,火曜日2時限
担当教員 秋山 美紀:北野 華子(アキヤマ ミキ:キタノ ハナコ)
関連科目 前提科目(関連): C1029,95030,C1049,90535
開講場所 SFC
授業形態 講義、実習・演習、グループワーク
履修者制限
履修条件

秋学期後半の同じ曜日と時間帯に「ヘルスプロモーション」(健康マネジメント設置科目,主担当小熊祐子先生)があります。両方の履修をすると理解が深まると思いますのでお勧めします。

It is recommended to take "Health Promotion", provided at Graduate School of Health Management as a joint course with Graduate School of Media and Governance. "Health Promotion" will be on the same period of the latter half of the semester.

2020年度は、学事日程上わずか6週(12回)の授業になり、特に出席が重要になります。初回授業への出席は必須になりますのでご留意ください。

Class attendance is critical. Students need to attend the first day of the course.

使用言語 日本語
連絡先 miki@sfc.keio.ac.jp
授業ホームページ
同一科目

学生が利用する予定機材/ソフト等

設置学部・研究科 政策・メディア研究科
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数 0
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GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/07/22 19:26:53

科目概要

 人々がより健康に生きる、その手段としてのコミュニケーションは、各国で社会的な要請に応えるかたちで、新しいメディアや手法も効果的に取り入れながら、ダイナミックに発展し続けてきた。本コースで扱う「ヘルスコミュニケーション」は、人々の健康にインパクトを与えうる様々な働きかけが含まれる極めて実践的なものになる。
 たとえば今日、深刻な健康課題を抱えている人の多くは、社会的・経済的・環境的な複数の課題を抱えていることが多い。そうした健康課題を解決するには、本人に正しい知識(エビデンス)を伝えるだけでは不十分で、当事者をとりまく周囲の人々への働きかけをしたり、さらには社会的な環境を変えていくために政策担当者等のステークホルダーに対しても問題の重要性を訴えることも必要となる。
 コースでは、健康・医療のコミュニケーションを効果的に行うための基本的な理論と概念、さらに実践を研究として結実させる方法を実例とともに学ぶ。社会において顕著なヘルスコミュニケーションの実践をしている外部講師も予定している。カバーする主な範囲は、健康や医療の意思決定に影響を与えうる、対人コミュニケーション、各種メディアコミュニケーション(含ソーシャルメディア、マスメディア)、アドボカシーである。
 対象は2つの研究科(健康マネジメント研究科と政策・メディア研究科)の大学院生で、医療および公衆衛生、健康・医療政策に関心があり、人々の健康の問題を多様なアクターとともに理解し協働して解決する戦略、スキル、方法、アプローチを学びたい意欲ある者を歓迎する。本コースは、1日2コマ続き(4学期制対応科目)となる。講義とグループディスカッションや演習を組み合わせて、学生自身が手と頭を動かして、その日の学びを体感しながら身につけられる教授法で行う。

Health communication is the study and practice of communicating promotional health information, such as in public health campaigns, health education, and communication between doctor and patient.
This course involves lots of group-works. Foreign students are welcome but need have basic Japanese communication skills.

授業シラバス

主題と目標/授業の手法など

 人々がより健康に生きる、その手段としてのコミュニケーションは、各国で社会的な要請に応えるかたちで、新しいメディアや手法も効果的に取り入れながら、ダイナミックに発展し続けてきた。本コースで扱う「ヘルスコミュニケーション」は、人々の健康にインパクトを与えうる様々な働きかけが含まれる極めて実践的なものになる。
 たとえば今日、深刻な健康課題を抱えている人の多くは、社会的・経済的・環境的な複数の課題を抱えていることが多い。そうした健康課題を解決するには、本人に正しい知識(エビデンス)を伝えるだけでは不十分で、当事者をとりまく周囲の人々への働きかけをしたり、さらには社会的な環境を変えていくために政策担当者等のステークホルダーに対しても問題の重要性を訴えることも必要となる。
 コースでは、健康・医療のコミュニケーションを効果的に行うための基本的な理論と概念、さらに実践を研究として結実させる方法を実例とともに学ぶ。社会において顕著なヘルスコミュニケーションの実践をしている外部講師も予定している。カバーする主な範囲は、健康や医療の意思決定に影響を与えうる、対人コミュニケーション、各種メディアコミュニケーション(含ソーシャルメディア、マスメディア)、アドボカシーである。
 対象は2つの研究科(健康マネジメント研究科と政策・メディア研究科)の大学院生で、医療および公衆衛生、健康・医療政策に関心があり、人々の健康の問題を多様なアクターとともに理解し協働して解決する戦略、スキル、方法、アプローチを学びたい意欲ある者を歓迎する。本コースは、1日2コマ続き(4学期制対応科目)となる。講義とグループディスカッションや演習を組み合わせて、学生自身が手と頭を動かして、その日の学びを体感しながら身につけられる教授法で行う。

教材・参考文献

参考書は初回授業で紹介します。また毎週授業の前にその週の参考文献をアップします。
必読文献はPDFでアップしますので、教科書は購入する必要はありません。

提出課題・試験・成績評価の方法など

毎回の授業参加と課題(約60%)
学期末のグループ発表とそれに関連する提出物(約40%)
期末テストはありません。

履修上の注意

2020年度はCOVID-19の状況を踏まえたキャンパス方針に従い、オンライン授業となる見込みです。
履修希望者は、9月20日(金)の正午までに、簡単な自己紹介を兼ねて、この授業の履修動機を400字以内で記載し、SFSより提出してください。ぜひご自身のこれまでの活動や、取り組みたい研究テーマ、将来設計等と照らし合わせて、この授業への期待なども自由に記載してください。

授業計画

第1回 ヘルスコミュニケーションの地平

本コースの主題「ヘルスコミュニケーション」には、様々なものが含まれる。ミクロ、メゾ、マクロと様々なレベルと場で行われる実例を見ながら、実践的な学問領域の全体像と、本コースで扱う範囲を明らかにする。健康のEcological Modelの各層にヘルスコミュニケーションが役割を果たしていることを理解する。


第2回 コミュニケーションの仕組みと作用

「伝わる」と「伝わらない」の違いはどこからくるのか。コミュニケーションの基本原理、要素を吟味し、健康行動につなげてヘルスコミュニケーションの基本的な理論とそれを用いた実践および評価、改善というサイクルを理解する。


第3回 メッセージの提示方法と認知・行動変容

行動変容という効果を上げるために理論を使う必要性を理解します。様々な理論を用いたプログラムの実践例やメッセージのフレーミングに関するEvidenceを学び、実践に使える知識を獲得します。


第4回 読みやすさ、わかりやすさを追求する「リーダビリティ」の研究

患者向けの資料や健康情報サイトなどの文書の読みやすさ、内容理解のしやすさの評価や改善のために、リーダビリティの研究がおこなわれている。リーダビリティ研究の第一人者の酒井由紀子氏を講師にお迎えする。


第5回 物語やゲームの効用―教材づくりを考えるために―

健康教育や啓発に関する様々な教材や資材の実例を元に考察を深め、よりよく伝わるための効果的な組み合わせや工夫を考えます。物語やゲームがもたらす「没入感」について理解を深めます。


第6回 エンタテイメント・エデュケーションの実践と研究

教育とエンタテイメントを融合させることで、社会に健康に関する知識や実践を効果的に広げていくことが期待されている。マスメディアが伝える健康情報の研究者とともに、エンタテイメント・エデュケーションの現状を学ぶ。


第7回 マスメディアとヘルスコミュニケーション

多くの人に影響を与えるマスメディアにおいて健康イメージはどうつくられているのか、それを説明するメディア効果理論等について学ぶ。


第8回 テレビ番組と健康―番組制作の立場から

テレビ番組の制作者はどのような意図を持ち、どのような手法を用いて、メッセージを伝えているのか、NHKで医療や健康の番組制作を手がけてきたディレクターを講師にお迎えする。


第9回 当事者エンパワメントの視点からのヘルスアドボカシー(1)

アドボカシーとは何か、なぜそれが必要なのか、アドボカシーに対する様々な誤解を解消するとともに、今日の社会における正しいアドボカシーの方向性「Person-first」の理念を理解する。


第10回 当事者エンパワメントの視点からのヘルスアドボカシー(2)

社会変革をもたらすアドボカシーにおいては、様々なステークホルダーの把握と各ターゲットへの効果的なコミュニケーションが鍵になる。「ヘルス・アドボカシー」の実例を学ぶとともに、影響力のあるマスメディアが正しい健康やリスクの情報を伝えるための方策も検討する。


第11回 最終プロジェクト発表会

ヘルスコミュニケーション戦略(詳細は初回授業で説明します)の発表会を行います。


第12回 コースふりかえり

授業の振り返りを行うとともに、当該分野の研究と実践を深めるためのリソース等を紹介する。


第13回 ヘルスコミュニケーション戦略を練る(1)

ヘルスコミュニケーション戦略の基本的なプロセス、効果的な戦略立案と評価のための理論を用いた課題に取り組む。


第14回 ヘルスコミュニケーション戦略を練る(2))

ヘルスコミュニケーション戦略の基本的なプロセス、効果的な戦略立案と評価のための理論を用いた課題に取り組む。


第15回 実践知の共有

健康に関する実践知を共有する方法は多様化している。社会の中の様々な立場の人の価値共有の方法、コースの振り返りを行う。


15回目に相当するその他の授業計画

最終日の発表に向けて、学生はグループで準備が別途必要になります。