2020年秋学期 - 外交と戦略 / DIPLOMACY AND NATIONAL STRATEGY
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C1089 外交と戦略 DIPLOMACY AND NATIONAL STRATEGY |
先端導入科目-総合政策-国際戦略 Frontier Courses (Intermediate) - Policy Management - International Strategy 2 単位 |
| 実施形態 | 完全オンライン |
| 開催日程 | 秋学期 月曜日2時限 |
| 担当教員 | 加茂 具樹(カモ トモキ) |
| 関連科目 |
前提科目(推奨): C1101 |
| 開講場所 | SFC |
| 授業形態 | 講義 |
| 履修者制限 |
履修人数を制限する Only the selected students can take this course. |
| 履修条件 |
国際政治、日本外交に対する関心。 教科書を指定し、輪読形式の授業をおこないます。初学者でも理解できるように、丁寧に教科書を読み進めてゆきます。講義毎に読んでおく範囲を指定しておきますから、必ず講義の前に教科書の該当箇所を読んでください。どんな小さなことでも構いません。かならず一つは「問い」を持って授業に臨んでください。そうしないとつまらないと思います。輪読形式の授業のため、出席を極めて重視します。ただし「楽単」にならないように私は努めます。本講義と担当者が2020年秋学期に開講している「地域と社会(アジア・大洋州)」を共に履修すると、現代中国についての理解を一層に深めることができるでしょう。推奨します。 |
| 使用言語 | 日本語 |
| 連絡先 | tomoki@sfc.keio.ac.jp |
| 授業ホームページ | https://www.kamotomoki.com |
| 同一科目 | |
| 学生が利用する予定機材/ソフト等 | |
| 設置学部・研究科 | 総合政策・環境情報学部 |
| 大学院プロジェクト名 | |
| 大学院プロジェクトサブメンバー | |
| ゲストスピーカーの人数 | 2 |
| 履修選抜・課題タイプ=テキスト登録可 | true |
| 履修選抜・選抜課題タイプ=ファイル登録可 | false |
| GIGAサティフィケート対象 | |
| 最終更新日 | 2020/07/22 03:14:51 |
科目概要
本講義の目的は「大国」意識を強めている中国外交の「軌跡」への深い理解をつうじて、これからの中国の対外行動を展望するための視座を獲得することにあります。また、本講義をつうじて日中関係の現状を理解し、日本外交を展望するための手掛かりを学びます。
The aim of this course is to understand the 'trajectory' of China's foreign policy and the influence of China’s conduct on the international politics.
授業シラバス
主題と目標/授業の手法など
本講義をつうじて履修者は中国外交の「軌跡」についての理解を深めることができます。経済成長にともない国力が増大した中国は、近年、自国の外交を「中国の特色ある大国外交」と定義し、「大国」としての意識を強めています。中国共産党の言葉を借りれば「大国」とは「世界の平和に決定的な影響をあたえる力(power)」です。そうした中国は、新型コロナウイルス感染症の世界的規模での感染爆発の結果、既存の力の分布(パワーバランス)が流動化し、国家間のゲームのルールである国際秩序が変化しつつあると、分析しています。中国はどの様な国際秩序を描いているのでしょうか。私たちは、中国といかに向き合えば良いのでしょうか。
本講義をつうじて履修者は、「大国」意識を強めている中国の対外行動のこれまでの歩みを理解し、中国外交の未来を展望するための視座を獲得することができます。また、本講義をつうじて日中関係の現状を学び、日本外交を展望するための手掛かりを学ぶことができます。
教材・参考文献
本講義は、以下の書籍を教科書に指定します。必ず購入してください。
- 益子知佐子、青山瑠妙、三船恵美、趙宏偉(2017)『中国外交史』東京大学出版会。
参考文献を以下に掲げます。
- 岡部達味(1972)『現代中国の対外政策』東京大学出版会。
- 岡部達味(1972)『中国の対日政策』東京大学出版会。
- 岡部達味(1983)『中国外交 政策決定の構造』日本国際問題研究所。
- 佐藤英夫(1989)『対外政策』東京大学出版会。
- 岡部達味(2002)『中国の対外戦略』東京大学出版会。
- 須藤季夫(2007)『国家の対外行動』東京大学出版会。
- リンダ・ヤーコブソン(2011)『中国の新しい対外政策』岩波現代文庫。
- トシ・ヨシハラ&ジェーイムズ・R・ホームズ(2014)『太平洋の赤い星』バシリコ。
- 青山瑠妙・天児慧(2015)『超大国・中国のゆくえ』東京大学出版会。
- 小野寺史郎(2017)『中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史』中公新書。
- 毛里和子(2018)『現代中国外交』岩波書店。
- シーラ・スミス(2018)『日中 親愛なる宿敵 変容する日本政治と対中政策』東京大学出版会。
- 趙宏偉(2019)『中国外交論』明石書店。
- テイラー・フレイヴェル(2019)『中国の領土紛争 武力行使と妥協の論理』勁草書房。
提出課題・試験・成績評価の方法など
議論へ参加度、期末レポートを総合的に検討して評価します。教科書にそって講義をすすめてゆきますが、「楽単」と思わないでください(笑)。
履修上の注意
この講義は中国外交に対する理解を深めるために輪読形式ですすめてゆきます。指定教科書を、1回の講義に1章ずつ読み進めてゆきます。本講義を履修する皆さんは、毎回の講義に出席する際、該当する章の内容の要約および疑問点をA4用紙1枚程度にまとめ、SFSをつうじて事前に提出してください。講義中、担当者は履修者に対して質問(単語の意味や文意等)を投げかけながら、教科書に対する理解が深まるよう促します。本講義を履修する場合は、指定教科書を必ず購入してください。
授業計画
第1回 中国外交史を見る視点
益子知佐子、青山瑠妙、三船恵美、趙宏偉著『中国外交史』(東京大学出版会、2017年)1-14頁。
第2回 向ソ一辺倒と平和共存五原則(1949-1956)
益子知佐子、青山瑠妙、三船恵美、趙宏偉著『中国外交史』(東京大学出版会、2017年)15-38頁。
第3回 中ソ対立から中間地帯論へ(1956-1964)
益子知佐子、青山瑠妙、三船恵美、趙宏偉著『中国外交史』(東京大学出版会、2017年)39-60頁。
第4回 反米反ソの革命外交(1964−1969)
益子知佐子、青山瑠妙、三船恵美、趙宏偉著『中国外交史』(東京大学出版会、2017年)61-86頁。
第5回 反ソ国際統一戦線から「独立自主の対外政策」へ(1969-1982)
益子知佐子、青山瑠妙、三船恵美、趙宏偉著『中国外交史』(東京大学出版会、2017年)87-112頁。
第6回 全方位外交の展開(1982-1989)
益子知佐子、青山瑠妙、三船恵美、趙宏偉著『中国外交史』(東京大学出版会、2017年)113-136頁。
第7回 国際的孤立からの脱却と冷戦後世界への対応(1989-1996)
益子知佐子、青山瑠妙、三船恵美、趙宏偉著『中国外交史』(東京大学出版会、2017年)137-158頁。
第8回 地域大国からグローバル大国へ(1996-2006)
益子知佐子、青山瑠妙、三船恵美、趙宏偉著『中国外交史』(東京大学出版会、2017年)159-188頁。
第9回 グローバル大国としての模索(2006-2012)
益子知佐子、青山瑠妙、三船恵美、趙宏偉著『中国外交史』(東京大学出版会、2017年)189-214頁。
第10回 日本のパブリックディプロマシー
日本のパブリックディプロマシーの可能性と限界。外務省にて対外発信に関する実務経験がある外部講師をお招きし、日本のパブリックディプロマシーに関する講演を予定しています。
第11回 日中関係の行方
「大国」としての意識を強めてきた中国と日本は如何に向き合うか。この7月に3年間の在中国日本国大使館勤務を終えて帰朝した外務事務官をお招きし、日中関係に関する講演会を予定しています。
第12回 中国外交の行方
益子知佐子、青山瑠妙、三船恵美、趙宏偉著『中国外交史』(東京大学出版会、2017年)215-226頁。
第13回 総括
第14回 総括
第15回 総括
15回目に相当するその他の授業計画
全体の総括