2020年秋学期 - 研究会A / SEMINAR A
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A1101 研究会A SEMINAR A |
研究プロジェクト科目 Research Seminars 4 単位 |
地上学への研究
Study for the Groundlogy
| 開催日程 | 秋学期 月曜日4時限,月曜日5時限 |
| 担当教員 | 石川 初(イシカワ ハジメ) |
| 関連科目 |
前提科目(推奨): B6164,B6165 前提科目(関連): B6050,60640,C2019,B6114,B6103 |
| 授業形態 | 講義、ディスカッション、グループワーク、演習 |
| 履修者制限 | |
| 履修条件 | |
| 使用言語 | 日本語 |
| 連絡先 | hajimebs@keio.jp |
| 授業ホームページ | http://hajimelab.net/wp/ |
| 設置学部・研究科 | 総合政策・環境情報学部 |
| 大学院プロジェクト名 | |
| 大学院プロジェクトサブメンバー | |
| ゲストスピーカーの人数 | |
| 履修選抜・課題タイプ=テキスト登録可 | false |
| 履修選抜・選抜課題タイプ=ファイル登録可 | false |
| GIGAサティフィケート対象 | |
| 最終更新日 | 2020/07/07 17:13:04 |
Additional Information about language support on this course
Language used in each of the course components
| Lecture | |
| Material | Mainly Japanese |
| Discussion | Mainly Japanese |
| Group work | Mainly Japanese |
| Presentation | Mainly Japanese |
Level of Japanese language skill necessary for the course
| Reading | Should be able to read and write longer texts about day-to-day topics. |
| Writing | Should be able to read and write short texts using basic vocabulary and Chinese characters. |
| Speaking | Should be able to participate in day-to-day conversation. |
| Listnening | Should be able to understand and communicate in simple ways when spoken to slowly. |
Other
研究会概要
目的・内容
都市をはじめとする私たちを取り巻く事象を読み解く力を養い、そこに提案ができること、そのために日常的/局所的な物事と、広域的/地理的な物事をつなぐ視点やセンスや具体的な物を作るスキルを獲得することが目標です。
場所、空間、環境、風景…と、私たちが生きている「ここ」は、それを指すスケールによって様々な呼び方がなされます。それぞれのスケールには、それぞれに応じた建設技術の領域が存在しますが、この研究会では必ずしもあるスケールに特化して技術と知見を極めるというやりかたではなく、足元の小さな場所から国土スケールの風景まで、横断的に観察し考察しながら、何らかの提案を行うことを考えます。
提案とは、つまりデザインです。ここで掲げた「地上学」は、抽象的な概念や空間ではなく、具体的な場所のデザイン、風景のデザインを行うものです。しかし、建設行為として場所や風景の「改変」を行うことだけがデザインではありません。そこに気の利いた椅子を一脚置くだけで場所の性格が変わるようなデザインもありうるし、新しい物の見方や、従来は愛でる対象ではなかった風景の新しい美の発見も実践的なデザインです。
上記は、研究会シラバスでこれまで掲げてきた研究会の理念です。 これに加えて、ツールの制作やデザインの提案、論文など、成果を形として上げることに更に注力しています。
これらの実践に必要な基礎的素養、思考ツールは「ランドスケープデザイン」です。担当教員は、農学部造園学科を卒業し、長くランドスケープデザインの現場で設計実務に携わりながら、デジタル地図などを使った新しい表現を試みてきました。この研究会では、必ずしもランドスケープデザイナーを養成するための専門知識や技能の習得だけを目論んでいませんが、ランドスケープをデザインするという観点からもたらされる思考、「ランドスケープ思考」を日常空間に応用することを常に考えています。
歩き回ることと、手を動かすことを厭わない履修生を歓迎します。
参考資料・これまでの活動報告冊子:
[https://www.dropbox.com/s/kfk1kxv5u2vrgvz/landwalkbook1.pdf?dl=0|landwalkbook1(研究会活動報告2015)]
[https://www.dropbox.com/s/zulanfuvwdb42mf/landwalkbook2.pdf?dl=0|landwalkbook2(研究会活動報告2016)]
[https://www.dropbox.com/s/5jk1ohr1f2l3fry/landwalkbook3.pdf?dl=0|landwalkbook3(研究会活動報告2017)]
研究室ウェブサイトの [http://hajimelab.net/wp/?page_id=931|「活動紹介」] のページ
We are making new urban maps, books and other tools to cultivate senses and skills to observe, read and design the environment surrounding us including the current urban land, with connecting daily / local scale things to regional / geographical scale. The most of the work will be based on intensive fieldwork and analysis. The finish product must be in physical form, not just digital image data.
Where we live now would be described in various ways such as place, space, environment or landscape. Each scale has its profession to commit with construction technology. Yet we do not limit our study in any specific scale.
We focus on design, yet we see the word of “design” is not limited to physical construction. Practical design can be just put a small chair to change the landscape, or to develop the way to appreciate new beauty of the landscape witch has not been a subject of admire.
評価方法
研究会への出席、ディスカッションやワーキングへの貢献度、プロジェクトへの参加、研究や作品製作の成果を総合的に評価します。
Comprehensive evaluation including attendance to the class, contribution to the the discussion and working.
教材・参考文献
石川初.「思考としてのランドスケープ ―地上学への誘い」.LIXIL出版.2018年.
石川初.「ランドスケール・ブック ―地上へのまなざし」.LIXIL出版.2012年.現代建築家コンセプトシリーズ12
若林幹夫.「増補 地図の想像力」.河出文庫.2009年
中谷礼仁.「セヴェラルネス+(プラス)―事物連鎖と都市・建築・人間」.鹿島出版会.2011年
その他、必要に応じて研究会で指示します。
関連プロジェクト
学外からの委託プロジェクトや研究会として自主的に行っているプロジェクトなどがあります。一例として、
- [http://mille-vill.org/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8|千年村プロジェクト] :早稲田大学、千葉大学、東京都市大学、ものつくり大学、その他と合同の集落調査と研究のプロジェクトに研究会として参加しています。
- [http://www.in-kamiyama.jp/author/keiosfc/|神山町プロジェクト] :徳島県神山町を対象に、集落や人々の暮らしの風景を調査しています。
- [http://www.belnatio.com/|ベルナティオ・ランドスケープデザイン] :新潟県十日町市のリゾート施設の植栽マスタープラン策定業務やリゾート全体のランドスケープデザインのコンサルティングを受託しています。
- 地方都市の歴史的建造物の活用方法を自治体と共同で研究しています。
- 都内の自治体の主催する景観市民ワークショップにアドバイザーやファシリテーターとして参加しています。
詳しくは研究室ウェブサイトの [http://hajimelab.net/wp/?page_id=931|「活動紹介」] のページをご覧ください。
担当教員は大学院ではXDのメンバー、EGのサブメンバーです。
課題
これまで、以下のような研究活動に取り組んでいます。
- SFCの風景や地図を読みなおし、新しい地図やイメージを作成する
- 身近な場所の様々な種類の地図や、身近な風景の鑑賞ガイドを作る
- GPSなどの機器を使って移動のログを取得し、視覚表現として制作する
- 東京や横浜などの都市、多摩ニュータウンや港北ニュータウン、千葉ニュータウンなどの郊外のフィールドワーク
- 他大学との合同演習、合同フィールドワークへの参加(千年村調査研究、東京オリンピックアーカイブ、ジャカルタのスラム研究など)
- 市民景観ワークショップへの参加、補助
- 住宅地内の小公園のデザインと住民ワークショップ:実際に住民ワークショップを行い、住宅地の遊び場を作る手伝いをしました。
- 特定の地域を対象に、その地域を再発見する風景の図鑑や鑑賞ガイド、その地域の住民が自らの土地の歴史について考えるためのメディア「千年の絵本」などの制作
- 人文地理学や都市・ランドスケープに関する文献・書籍の読書会
研究会開講日以外にもサブゼミとして定期的に、地図表現の講習会やランドスケープデザインの勉強会、ドローイングの練習会などを行いました。
また、ガーデンやランドスケープのデザインの基礎学習を研究会の課外活動的に行う計画もあります。
基本的に、履修生の個人研究と、研究会でのグループ課題、また研究室として取り組んでいる外部との合同プロジェクトや委託研究、などが平行して進んでいます。個人研究については、ユニークなもの、優秀なものは学会発表などを行います。
昨年度は日本生活学会で4件の口頭発表、日本地図学会で1件の口頭発表を行いました。
Students will be assigned to each personal research project, such as
- Making maps, landscape guidebooks
- Fieldwork to suburban new town near Tokyo
- Village research
来期の研究プロジェクトのテーマ予定
基本的に同じテーマで継続する予定です。
その他・留意事項
研究会の開催日以外の時間でも、グループワークや準備、リサーチやスタディが必要です。定期的に集まるサブゼミなどのほか、日帰りや合宿形式のフィールドワーク、不定期のプロジェクトへの参加などがあります。
*これらに「積極的に」参加するために、研究会を中心に、その活動を優先して予定を組んでもらう必要があります。忙しいです。就活やアルバイトなども含めて、先方に事情を伝えて、あらかじめ研究会の予定を優先できるように調整してください。研究会が生活の大きな位置を占めてしまうつもりで履修されたほうがいいでしょう。*
*研究会、その他の活動とも、長丁場になることがよくあります。特に研究発表のレビューや議論は時間をかけることを厭わないので、ゼミの時間が延びることがしばしばあります。研究会の開催日(月曜日)は、そのあとの予定を入れないことを強く推奨します。*
You must contribute your time besides the seminar class. Field work to the out of campus, research trip, contribution to the projects held with other university team, and so on. You need to compose your schedule for the seminar and the lab.
Exhibition of Ishikawa seminar will be held. It is strongly recommended that you browse this exhibition before you request to participate in the seminar.
https://ishikawalab-hiyorimi.tumblr.com/
授業スケジュール
以下の活動を予定しています。これに限らず、随時増減があります。
定期活動:
- 月曜4、5限の研究会(12回、おもにオンライン):
- 主に2、3年生を中心とした、研究会の共通テーマ「新しい地図を描く」プロジェクト。
- 4年生の卒業プロジェクトの進捗報告。4年生は春学期は研究室のプロジェクト等にも関わりつつ各自で卒業プロジェクトの調査や研究を進め、秋学期はほぼ卒業プロジェクトに専従する予定です。
- 絵やダイアグラムの即日課題
- ランドウォーク:月2回程度の頻度で日帰りフィールドワークを行い、その結果を小冊子にまとめます。土曜日に実施することが多いです。秋学期の大学の方針に従い、可能であれば実施します。
グループ・リサーチ:上記以外に、以下の活動にそれぞれグループで取り組んでおり、これを継続する予定です。
- 神山町プロジェクト:徳島県神山町を対象にした考現学・生活学的調査
- 調布市景観プロジェクト:調布市による景観まちづくり市民検討会のアドバイザー、市民ワークショップのファシリテーターなどを行っています。2018年度からは市民が景観を学ぶためのツールづくりを行っています。
- ベルナティオプロジェクト:新潟県十日町市のリゾート施設の植栽マスタープラン
- 千年村調査研究(早稲田大学、千葉大学、東京都市大学、ものつくり大学などとの合同プロジェクト)
- 建築雑誌に見る住宅建築と植栽の歴史に関する調査研究
- 都市や郊外の個人の路上園芸空間の調査研究
- 住宅地内の小公園のデザインと住民ワークショップ
その他、さまざまなプロジェクトが並行して進んでいます。