2020年秋学期 - 国際金融論 / INTERNATIONAL FINANCE
|
C1095 国際金融論 INTERNATIONAL FINANCE |
先端導入科目-総合政策-国際戦略 Frontier Courses (Intermediate) - Policy Management - International Strategy 2 単位 |
| 実施形態 | 完全オンライン |
| 開催日程 | 秋学期 火曜日３時限 |
| 担当教員 | 白井 さゆり（シライ サユリ） |
| 関連科目 |
前提科目（推奨）: C1066 前提科目（関連）: C1095 |
| 開講場所 | SFC |
| 授業形態 | 講義 |
| 履修者制限 |
履修人数を制限する Only the selected students can take this course. |
| 履修条件 |
担当者の現代金融論（春学期）も履修することが望ましい Taking Financial Anaylysis is recommended 前学期までのマクロ経済１の履修を強く推奨する。 It is highly recommended to take "Macroeconomics I" before registering this course. |
| 使用言語 | 日本語 |
| 連絡先 | sshirai@sfc.keio.ac.jp |
| 授業ホームページ | |
| 同一科目 | |
| 学生が利用する予定機材/ソフト等 | |
| 設置学部・研究科 | 総合政策・環境情報学部 |
| 大学院プロジェクト名 | |
| 大学院プロジェクトサブメンバー | |
| ゲストスピーカーの人数 | 0 |
| 履修選抜・課題タイプ=テキスト登録可 | false |
| 履修選抜・選抜課題タイプ=ファイル登録可 | false |
| GIGAサティフィケート対象 | |
| 最終更新日 | 2020/08/14 09:48:06 |
科目概要
最近の日本経済の現状,コロナ危機以降の経済状況、およびアベノミクスやその下で実施されている異次元緩和と財政支援などについてできるだけ客観的な事実を紹介する。また、日本は長期デフレに陥っていたためその脱却のために異次元緩和が必要と言われることが多いが、日本のデフレとはどのような特徴をもっていたのかそれらの特徴も解説する。主要国でも長く金融緩和を実施しても2%インフレ目標が達成できていない現状、コロナ危機後に米国や欧州が行った大胆な金融緩和政策も紹介する。さらに、世界経済を展望し、米国経済と現状と今後、英国のＥＵ離脱をめぐる課題とＥＵの経済統合の諸問題、共通通貨ユーロにもとづく通貨同盟の長所短所、中国経済、円・ドル・人民元・ユーロなどの主要通貨の最近の動向、世界の金融センターの現状についても説明する。
、
The lecture will focus on recent Japan's economic performance and the outlook after the 2020 Tokyo Olymipic Game, Abenomics (three arrows) and the performance, as well as massivie monetary easing conducted by the Bank of Japan under the Abenomics. Japan's long-standing deflation and its features will be also touched upon.
Global economic issues such as the US economic performance and new policies under Mr. Trump, Brexit and EU negotiations, euro area and economic integratoin isseus, major exchange rates )ncluding the US dollar, the Japanese yen, the Chinese yuan, and euro) will be pointed out.
授業シラバス
主題と目標／授業の手法など
この授業は、日本経済と世界経済について、とくに国際金融の観点から講義する。外国為替市場、株式市場、債券市場、コモディティ市場などの日本における状況と世界の連関についても説明する。とくに、このテーマは、金融政策と金融政策が市場に及ぼす影響についての理解が不可欠なので、ある程度時間をかけて説明する。
テキストは、「東京五輪後の日本経済」（小学館、2017年）をベースにするが、これに最近の経済金融情勢について追加的に解説する。
より専門的に日米欧の金融政策を勉強した学生は、参考文献として「超金融緩和からの脱却」（日本経済新聞社、2016年）をすすめる。また、英語の文献では Mission Incomplete: Reflating Japan's Economy (Asian Development Bank Institute, 2017）およびGrowing Central Banking Challenges in the World and Japan（Asian Development Bank Insitute, 2020)では日本銀行、FRB、ECBの金融政策およびデジタル通貨をめぐる最近の動向について解説しているので興味があれば読むことを勧める(無料ダウンロード可能）
期末テストを実施する。課題提出も実施する可能性あり。
Textbook titled "Japanese Economy after the 2020 Tokyo Olympic" (2017, Shogakukan, in Japanese) is used. If other new appropriate textbooks are published when classes start, students will be notified.
Other supplementary reference books are "Unwiding Ultra-Easy Monetary Policy" (in Japanese, Nikkei Shinbun, 2016). Also "Mission Incomplete: Reflating Japan's Economy" (Asian Development Bank Institute, 2017, in English) and "Growing Central Bank Challenges in the World and Japan" (Asian Development Bank Institute, 2020) are recommended (free download availa
教材・参考文献
テキストは、「東京五輪後の日本経済」（小学館、2017年）。また新たなテキストがあれば、適宜、紹介する。授業ではこのほか最近の経済金融情勢を網羅する。
より専門的に日米欧の金融政策を勉強した学生は、参考文献として「超金融緩和からの脱却」（日本経済新聞社、2016年）をすすめる。また、英語の書籍では Mission Incomplete: Reflating Japan's Economy (Asian Development Bank Institute, 2017）は日本銀行の1990年代以降の金融政策の歴史を解説している。また、最近の英語書籍 ”Growing Central Bank Challenges in the World and ajpan"（Asian Develoent Bank Institute, 2020)では日米欧の金融政策の内容と動向、金融政策をとりまく背景、新しい金融政策の枠組み、財政政策とのリンケージ、デジタル通貨の動向、中銀版デジタル通貨などの扱っている。いずれも無料ダウンロード可能。
提出課題・試験・成績評価の方法など
授業内に、事前予告なく、数回にわけて中間テストを実施する。この目的は学生の学習進展度を確認することと出席状況をチェックすることにある。これに加えて、授業の最後に期末試験を行う。
The course wll provide several mid-term examinations without prior notices to check students' study progress and attendance. In addition, final examination will be provided at the end of course.
履修上の注意
前学期までのマクロ経済１の履修を強く推奨します。
It is highly recommended to take "Macroeconomics I" before registering this course.
授業計画
第1回 イントロダクション: 学生は授業の評価方法などしっかり読んでおくこと
日本と世界経済の概観と最近の主要な課題
今、世界で注目されている国際金融のテーマを紹介する。コロナ危機後の経済状況についても触れる
第2回 異次元緩和に踊る日本経済
指定教科書「東京五輪後の日本経済」第1章
高騰する都心の不動産価格、バブルとは
日経平均株価2万円前後、こればバブルなのか
第3回 コロナ危機後の動向の金融市場の動向
第4回 第2章 伝統的金融政策と異次元緩和の効果と副作用
量的緩和、マイナス金利、フォワードガイダンス、条件付き長期貸付制度、長短金利操作などの解説
第5回 先進国と新興国・途上国の対応の違い
第6回 第３章 日本経済の不都合な真実
教科書第3章
デフレとは何か。なぜ中銀はデフレ回避に努めるのか。
海外の中銀や有識者の多くは、日本のようなデフレにならないために大胆に金融緩和が必要という。それはただしい認識か？
第7回 第3章つづき
指定教科書第3章
なぜデフレから脱却できないのか。人手不足なのになぜ賃金は上がらないのか。なぜ日本人はリスクをとらないのか。貧富の差が拡大する日本。2014−18年に過去最高の企業収益。国民の成長期待。
第8回 第3章つづき
指定教科書第4章
アメリカ経済の現状と先行き。米国ＦＲＢの金融政策は世界にどのような影響を与えるのか
第9回 第4章 世界経済の現状と行方（米国経済・中国経済の動向）
指定教科書第4章およぼ捕捉資料
第10回 世界の金融センターの動向、欧州経済、BREXIT
ＥＵとユーロ圏の現状。Brexitとは何か。共通通貨圏ユーロ地域の課題。非伝統的金融緩和を導入したＥＣＢとイングランド銀行。
第11回 コロナ以降の世界経済
第12回 世界のバブルの兆しと欧米の金融政策
指定教科書第5章
日銀の金融政策の行方、金融危機、不動産価格、株価、為替
日本の財政、日本の経済成長、政府と日銀
第13回 世界のファイナンシャルセンターと資金フロー
最近の米国、中国、欧州および日本の経済情勢について触れる
第14回 第5章 日本の株価、為替、不動産の行方
第15回 授業のまとめ
15回目に相当するその他の授業計画
マクロ経済１の講義資料など読み返しておくとよい
Going over the lecture notes of Macroeconmic 1 is recommended