C2035
生命と知能の進化
EVOLUTION OF LIFE AND INTELLIGENCE
創造融発科目
Creative Courses (Philosophy)
2 単位
実施形態 完全オンライン
開催日程 秋学期 火曜日3時限
担当教員 冨田 勝(トミタ マサル)
関連科目 前提科目(推奨): B6151,04150
前提科目(関連): B6151,04150
開講場所 オンライン
授業形態 講義
履修者制限

履修人数を制限する

受入学生数(予定):約 390 人
選抜方法:課題提出による選抜

【課題内容】
学籍番号、氏名、履修希望理由と、生命システム履修済の人はその成績も記載してください。

1,2年生を優先します。



◯エントリー〆切日時:2020年9月28日(月) 17:00
◯履修許可者発表日時:2020年9月30日(水) 17:00

◯テキスト入力

Only the selected students can take this course.

Number of students in the class (scheduled) : About 390
Pre-registration screening by submitted an assignment

【ASSIGNMENT】
学籍番号、氏名、履修希望理由と、生命システム履修済の人はその成績も記載してください。

1,2年生を優先します。



* Schedule: TBD

履修条件

特になし

使用言語 日本語
連絡先 mt@sfc.keio.ac.jp
授業ホームページ
同一科目

学生が利用する予定機材/ソフト等

設置学部・研究科 総合政策・環境情報学部
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数 0
履修選抜・課題タイプ=テキスト登録可 true
履修選抜・選抜課題タイプ=ファイル登録可 false
GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/07/22 17:36:52

Additional Information about language support on this course

Language used in each of the course components

Lecture
Material Mainly Japanese
Discussion Both (English and Japanese)
Group work Both (English and Japanese)
Presentation Mainly Japanese

Level of Japanese language skill necessary for the course

Reading Should be able to read and write longer texts about day-to-day topics.
Writing Should be able to read and write longer texts about day-to-day topics.
Speaking Should be able to participate in day-to-day conversation.
Listnening Should be able to participate in day-to-day conversation.

Other

科目概要

40億年前に誕生したと言われる生命の起源はどのようなものだったのか。その後「突然変異と自然淘汰」だけで単細胞生物が多細胞生物になり陸に上がりヒトにまで進化した原動力とメカニズムは何なのか。さらに究極の臓器である「脳」の起源と進化についても議論します。 不安や怒り、喜びといった「感情」は脳内物質の増減によるものであり、好奇心の強さや楽観的といった「性格」には生まれつきの遺伝子が深く関与しています。またうつ病や統合失調症、さらには記憶障害や幻覚などの脳機能障害についても述べます。 最後に、「宇宙の起源と進化」という壮大な観点から生命を捉え、地球外生命体の有無や地球生命の未来について議論します。

Evolution of Life and Intelligence: Life is thought to have originated around four billion years ago, but what form did it take? And what are the driving forces and mechanisms behind the evolution of life, just through mutation and natural selection, from unicellular to multicellular organisms, from water to land, and eventually to the human species? We will also look at the origins and evolution of the brain, the ultimate organ. Emotions such as anxiety, anger, and joy are caused by fluctuations of substances within the brain, and genes are deeply involved in such personality traits as curiosity and optimism. We will also touch on depression, schizophrenia, memory impairment, hallucinations, and other disorders of brain function. We will finish with a look at life from the even grander perspective of the origin and evolution of the universe, and consider the possibilities of extraterrestrial life forms and the future of life on Earth.

授業シラバス

主題と目標/授業の手法など

「人類はどこから来てどこへ向かうのか?」本授業では、この正解のない永遠のテーマについてみんなで考えます。「生命の起源」はどのようなものだったのか。「突然変異と自然淘汰」だけで本当に単細胞生物が多細胞生物になり陸に上がりヒトにまで進化したのか。さらに 究極の臓器である「脳」の起源と進化にもふれ、「我々は何者なのか」を考えることができるようになったヒトという知的生物の精神活動について議論します。 最後に、「宇宙の起源と進化」という壮大な観点から生命を捉え、地球外生命体の有無や地球生命の未来について考えます。

Where did mankind come from, and where are we headed?: In this class, we will ponder together this eternal question, which has no easy answers. What exactly was the “origin of life” like? And did life really evolve just by mutation and natural selection, from unicellular to multicellular organisms, which emerged from water onto land and eventually evolved into the human species? We will also look at the origins and evolution of the brain, the ultimate organ, and discuss the mental side of being human―of being an intelligent animal capable of pondering such philosophical questions as “who are we?”. We will wrap up with a look at life from the even grander perspective of the origin and evolution of the universe, and consider the possibilities of extraterrestrial life forms and the future of life on Earth.

教材・参考文献

特になし

提出課題・試験・成績評価の方法など

毎回出席をとります。出席点と小テストの点数で評価します。

I will call the roll every time. I evaluate by attendance points and quizzes.

履修上の注意

前提科目:特になし。生物学の知識も前提ではありません。
英語対応:スライドにはなるべく英語訳も併記するなどの配慮は行いますが、基本的には日本語です。

There are no prerequisites for the SYSTEMS OF LIFE course. It may be taken even by students who did not study biology at high school. Although the course is taught in Japanese, we endeavor to cater to the needs of students lacking proficiency in Japanese in various ways, including providing English language handouts and allowing such students to answer test questions in English.

授業計画

第1回 「生命進化のメカニズム」(10月6日)
[Introduction to evolution of life]

ダーウィンの進化論によれば、生物は突然変異と自然淘汰を繰り返して進化してきたと考えられています。突然変異とはDNA損傷などによるゲノム配列のランダムな書き換えです。つまりすべての生物は偶然の積み重ねによってできたということになります。本当にそんなにうまくいくのか、疑問を呈する科学者もいます。ゲノムとは何か、遺伝子とは何か、DNA損傷による突然変異とは何かを、まず一から解説します。


第2回 「生命の誕生と起源の謎」(10月13日)
[The mystery of the origin of life]

地球に最初の生命がどこでどのように誕生したかは未だによく理解されていません。深海熱水孔説や地下深部説などに加えて、最初の生命は宇宙からやってきた、というパンスペルミア説もまじめに議論されています。隕石の中に生命の部品である有機物が多く含まれていることがわかったからです。生命は本当に地球上で誕生したのか、謎は深まるばかりです。


第3回 「多細胞生物への進化」(10月20日)
[Evolution into multicellular organisms]

単細胞生物であるバクテリアは驚くほど強靭な生命力を持っていて、122℃の高温や pH12.5の強アルカリ環境に生息する極限環境微生物も数多く知られています。しかし生命は複雑な真核細胞へと進化し、ついに多細胞生物を誕生させました。しかし多細胞生物は実に脆弱でわずかな環境の変化でも死滅してしまいます。強靭な生命力を犠牲にしてまで高等生物に進化していった原動力は何だったのでしょうか。


第4回 「カンブリア紀の爆発的進化の不思議」(10月27日)
[Mystery of evolutionary explosion]

大型生物の登場には6億年前に地球全体が凍りついた“全球凍結”が深く関与しているという説があります。そして約5億4千万年前のカンブリア紀、奇奇怪怪な多数の生物が一斉に登場しました。この進化の不思議な大爆発の原因には、地球環境の変化で多くの生物がピンチに追い込まれたからだと考えられています。ヒトの祖先である脊椎動物の原型もこの時期に誕生しました。


第5回 「海から陸へ進出」(11月3日)
[From sea to land]

生命の上陸は進化の歴史の中でもっとも劇的なイベントのひとつです。淡水に耐え海から川へ移り、川から酸欠の沼地へ移り、肺を発達させ大気中の酸素を吸い、背骨と手足を発達させて歩き始めた。生物が陸を目指したイベントには地球の大陸移動が引き金になった、という説があります。一方で不思議なことに、ヒトの受精卵がお母さんの子宮の中で成長する過程が、魚から爬虫類に進化していく過程と酷似しています。これは偶然なのでしょうか。


第6回 「恐竜の出現と絶滅」(11月10日)
[Appearance and extinction of dinosaurs]

進化の歴史の中で、もっとも大きな出来事の一つが恐竜の絶滅です。中生代に地上に君臨していた恐竜は6千5百万年前に忽然と姿を消しました。恐竜の出現と絶滅には、当時の地球環境を襲ったとてつもない大事件が関係していると言われています。謎に満ちたその原因を探ります。


第7回 「ヒトへの進化」(11月17日)
[Evolving into a human]

突然変異を繰り返して進化してきた歴史は、現在の生物のゲノム配列に刻み込まれています。近縁種のゲノム配列を比較することによって、それらがいつ分岐してどのように進化てきたのかを推定することも可能なのです。現代人のゲノム配列を大規模に比較することで、世界中のヒトの祖先は約16万年前のアフリカ大陸で生きていた一人の女性にたどり着くことが判明しました。


第8回 「サピエンス全史(11月24日)
[Sapiens: a brief history of humankind]

ユヴァル・ノア・ハラリ氏が執筆した「サピエンス全史〜文明の構造と人類の幸福」は世界中でベストセラーになりました。人類が発展してきたのは他でもない「フィクションを信じる力」だと主張しています。宗教のように架空の物語をみんなで共有して信じることが大社会の秩序を守ってきたというのです。ほかにも「農業革命は詐欺」「ヒトは穀物の奴隷」など挑発的な考え方を次々と展開。これらの考えを一つ一つ検証します。


第9回 「幸福とは何か」(12月1日)
[What is happiness]

すべての精神活動は脳内の物質代謝によるもので、遺伝子が深く関与しています。想像力や記憶力などのほか、心配性、好奇心の強さ、そしで幸福感の強さなどの性格もかなりの部分は遺伝子の働きからくる脳内代謝によるものと考えられています。
あるアンケート調査によれば、「幸せだ」と感じている人の割合は、高所得者と低所得者の間に差はなく、社会的地位の高低でも差がなかったといいます。つまり社長さんであっても大金持ちであっても「不幸だ」と思っている人の割合は変わらないということです。
つまるところ「幸せ」とは自身の脳内代謝が決めるものであり、遺伝子や神経細胞が創り出しているものである、という考え方をあなたはどう思いますか。


第10回 「意識とは何か」(12月8日)
[What is Consciousness]

私たちはみな「意識」を持っていて、夜寝ると意識を失い、朝起きると意識を取り戻します。この「意識」とは一体何なのでしょうか。脳が創り出したものだとしてもどのようなメカニズムによるものでしょうか。AI(コンピュータ)に意識を持たせることは可能でしょうか。一方、多重人格症(解離性同一性障害)の患者さんは、その肉体に複数の意識(人格)が存在するといいます。意識とは何か、という現代科学の謎について議論します。


第11回 「AIはヒトを越えるか」(12月15日)
[Will AI transcend humans]

AIが2045年にヒトを越える「シンギュラリティ」という言葉が流行して、その時の未来社会はどうあるべきか、といった議論が良くなされているようですが、これは不正確な理解に基づくAI技術の過大評価で一時的なブームだという意見もあります。実際、過去に2回AIブームがあり(1950年代と1980年代)、過度の期待と失望を繰り返してきた歴史があります。1980年代にAI研究のど真ん中にいた私は、あえて「AIがヒトを越えるわけない」という立場で主張を展開し、みなさんの議論を促したいと思います。


第12回 「宇宙と生命」(12月22日)
[The universe and life]

この宇宙は137億年前にビッグバンによって誕生したと考えられています。ビッグバンの前はどんな世界だったのでしょうか。そもそもこの宇宙とは一体何なのでしょうか。そんな宇宙で46億年前に誕生した地球は、生命が宿るために必要な条件と環境が全部そろった奇跡的な惑星であり、そこに私たちは住んでいます。地球以外にも生命は存在するのでしょうか。すべての星には寿命があり、地球もあと数十億年後には必ず消滅します。そのとき地球生命は絶滅するのでしょうか。人類はそれまで存続しているでしょうか。


第13回 リクエストに応じて日時を決定する* 授業内容における質疑応答と議論を行う。
[I will respond to questions regarding lecture content and will invite discussion. ]


第14回 リクエストに応じて日時を決定する* 授業内容における質疑応答と議論を行う。
[I will respond to questions regarding lecture content and will invite discussion. ]


第15回 リクエストに応じて日時を決定する* 授業内容における質疑応答と議論を行う。
[I will respond to questions regarding lecture content and will invite discussion. ]


15回目に相当するその他の授業計画

*第15回 リクエストに応じて日時を決定する* 授業内容における質疑応答と議論を行う。

*I will respond to questions regarding lecture content and will invite discussion.