A1101
研究会Ａ
SEMINAR A 		研究プロジェクト科目
Research Seminars
4 単位

気象学研究会
Research Group on Meteorology

開催日程 秋学期 火曜日４時限,火曜日５時限
担当教員 宮本 佳明（ミヤモト ヨシアキ）
関連科目 前提科目（推奨）: C2011
前提科目（関連）: C2003,C1114,64320,B6044,64460,C2012,C2016,64300,C1045,65150,C2007,C2009,C1012
授業形態 講義、ディスカッション、グループワーク、演習
履修者制限
履修条件

python・MATLAB・Fortranのプログラミングや、数学・物理の基礎知識があれば良いですが、無くても問題なく研究できます。

Programming experience of python, MATLAB, and/or Fortran, and basic understanding of mathematics and physics would be desired, but not absolutely necessary.
使用言語 日本語
連絡先 ymiya@sfc.keio.ac.jp
授業ホームページ http://met-lab.sfc.keio.ac.jp
設置学部・研究科 総合政策・環境情報学部
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数
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GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/07/02 10:40:18

研究会概要

目的・内容

{
　本研究会では、生活に身近な気象・気候学を学ぶことで、地球温暖化、大気汚染、ヒートアイランドなどといった環境問題の原因を理解すると共に、各種産業や防災、都市開発、政策などと言った他分野への“気象の応用可能性”を探求します。また、台風や集中豪雨など“気象現象のメカニズムを解明する基礎研究“も行います。
　以下に挙げたテーマを軸に、教員と相談しつつ具体的なテーマを決め、個人またはグループで研究を行います。各回の研究会では、教材を用いた輪読・講義、天気図を用いた翌日の天気予測、個々の研究に取り組みます。外部から専門家を呼んで講演をしてもらうことや、観測に出かけることもあります。プログラミングや数学の知識などがあれば望ましいですが、これらのスキルが無くても問題ありません。
　さらに深く気象を学びたい人、及び、気象予報士試験を受験する人向けに、より高度な教科書を使って勉強するサブゼミも開催しています。
}

:【研究テーマ】:
1. 気象学の基礎研究

(a) 台風や集中豪雨のメカニズム
本研究室のメインテーマです。気象に対する深い理解と高度なプログラミング技術が必要になりますが、このテーマでは国内・海外の研究機関（気象庁・理研・東京大学・マイアミ大・NASAなど）と共同で取り組み、世界最先端の研究を行なっていきます。

(b) 日々の天気の成因を探る研究
「なぜ昨日は雨だったのか？」といった理由を、気象の知識を使って考えます。気象学の面白さの一つは毎日新しい現象が出現することです。その解釈には、風の吹き方や雨の降り方など気象の知識が必要で、気象研究の第一歩としては最適なテーマです。自分で面白そうな現象（例えば？月？日に湘南台で生じた豪雨）を選び、学んだ知識を活かして研究します。

2. 気象学の他分野への応用可能性の探求

気象の世界でも新しい内容で、様々な分野への気象の応用可能性を探す研究です。既に応用されているテーマを掘り下げたり、新しいテーマを探したりします。具体的には、

(a) 都市・構造物や政策・防災への応用（例：地球温暖化を考慮した都市開発）

(b) 様々な気象ビジネスの発掘（例：最適な太陽光パネルの接地場所）

を考えていますが、もちろんこれら以外のテーマを取扱うことも可能で、柔軟な発想を武器に、自分の興味と気象を組み合わせて新しいテーマを模索しましょう。


:【研究手法】:
- 気象の応用可能性を考える思考研究
- 観測データ（例えば横浜の降水量）を解析
- プログラミング技術を向上させれば、実際の天気予報とほぼ同じ計算を実行することが可能
- さらにプログラミング技術を磨けば、理研の「京」などのスーパーコンピュータを利用して計算を行うことも可能


:【身につくこと（研究会への滞在期間を軸にした一例）】:
- １学期目：研究テーマを模索。本研究会では柔軟な問題発見能力（発想力）を養うことを重要視しており、仮にテーマを見つけるだけで学期が終わったとしてもきちんと取り組んでいれば問題ありません。
- ２学期目：じっくり決めた研究テーマについて調査・解析を行って掘り下げ、研究としてまとめます。この過程で問題解決能力を養えます。
- ３学期目以降：自分の研究をさらに深めたり、天気予報と同じ気象シミュレーションを実行できるようになったり、より深い研究ができるようになります。

This research group aims to explore application of Meteorology and Climate to various fields such as architecture, industry, disaster prevention, urban development, or politics, and to conduct scientific researches to improve fundamental understanding of Meteorological phenomena such as hurricanes. Students will conduct her/his research individually or in a group. Some examples of research topics are listed below.

:1. Fundamental Research on Meteorology:
:(a) Effects of aerosol on hurricanes and cumulus: This is the main theme of our research group. One can have an experience to conduct a cutting edge scientific research. Deep understanding of Meteorology and programming skill are required. We will collaborate with other research groups in Japan Meteorological Agency, RIKEN, U. of Tokyo, U. of Miami, NASA, or NOAA.
:(b) Analysis of daily weather: You will examine physical reasons of daily weather on the basis of knowledge of Meteorology. This topic would be suitable for beginners.


:2. Application of Meteorology and Climate:
This is a new topic as a Meteorological research. One explores application of Meteorology and Climate to other fields. For instance,

:(a) Application to architecture, industry, disaster prevention, urban development, or politics
:(b) New business associated with Meteorology and Climate

You can conduct researches other than the above such as that applying Meteorology to your own research field.

評価方法

各回の研究会への出席と、各自の研究の進捗に応じて評価を致します。無断欠席は基本的に認められません。卒プロメンター研究に関する評価は、学期が終わった時点で提出していただく研究内容のレポートと、研究を遂行していく過程に基づいて行います。一学期で学術研究を完成させるのは難しいので、レポートは必ずしも完成された研究である必要はなく、成果を論理的にまとめたもので結構です。また、本研究会では問題解決能力に加えて、問題発見能力（発想力）を養うことも一つの目的とします。そのため、研究の進捗に加えて、研究の課題を見つける過程も評価の対象とします。

Evaluation will be made by attendance and research progress. Students must submit a research report at the end of semester. Since it is difficult to complete a research in a single semester, the report is not necessarily a research paper. Rather it can be a report logically describing her/his progress in a semester. This research group aims to improve one’s skill to find a problem as well as problem solving. Therefore, finding a research task is an important process for evaluation.

教材・参考文献

- 『一般気象学』小倉義光著、東京大学出版会
- 『百万人の天気教室』白木正規著、成山堂書店
- 『台風についてわかっていることいないこと』筆保弘徳ほか著、ベレ出版
- 『風はなぜ吹くのか、どこからやってくるのか』杉本憲彦著、ベレ出版

関連プロジェクト

課題

基本的にグループで決めた課題に取り組んでいただきます。学期途中に中間発表、および、学期末に最終発表を行うと共に、学期終了時に研究内容のレポートを提出していただきます。

Students are expected to conduct their research individually or in a group. One will have a presentation on her/his research progress and submit a research report.

来期の研究プロジェクトのテーマ予定

- 台風の基礎研究
- 航空気象
- 様々な気象観測用機器の製作
- 自然エネルギー発電（太陽光・水力）
- AIと気象
- 触れる天気予報
- 気象と健康
- 気象と労働環境
- 美肌予報
- 江ノ島域の観光客数と天候の関係
- 天気に対する見方の国ごとの違い
- 花火と気象
- 気象と金融
- スポーツ気象
- 気象と食品ロス
- 気象防災

その他・留意事項

教員の任期は2020年度までです。
卒プロメンターへ申請する場合には、最低2期以上研究会に所属することが必要です。

授業スケジュール

- 気象観測［15分］：数班に分かれて、SFCの各所で観測を実施します。
- 輪読［45分］：担当者が教科書の１〜２節を読み込んで来て内容を紹介します。
- ウェザーマップディスカッション［40分］（グルワ形式）：その日の天気図や他データを基に、グループで天気予報を行い発表します。
- その他［60分］：データ解析の練習（プログラミングの学習含む）など

- Observation [15 min]: lab members observe meteorological data at several places of SFC.
- Reading [45 min]: a lab member introduces a few sections of textbook, and
- Weather map discussion [60 min]: lab members will present weather forecast based on group discussion.
- Others [60 min]：Practice of data analysis including programming, study of individuals, and so on.