2020年秋学期 - 企業経営 / CORPORATE MANAGEMENT
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B6177 企業経営 CORPORATE MANAGEMENT |
特設科目 Special Seminars 2 単位 |
| 実施形態 | 完全オンライン |
| 開催日程 | 秋学期 月曜日3時限 |
| 担当教員 | 上山 信一(ウエヤマ シンイチ) |
| 関連科目 |
前提科目(関連): B6081,10020,40080,10080,10050 |
| 開講場所 | ZOOM |
| 授業形態 | 講義、実習・演習、遠隔あり |
| 履修者制限 |
履修人数を制限する Only the selected students can take this course. |
| 履修条件 |
余裕があれば日経新聞やビジネス誌(日経ビジネス、東洋経済、ダイヤモンド)に目を通してください。 N.A. 特にありませんが、アルバイトやインターンの経験があると理解が早いです。学生時代にいろいろ経験することを勧めます(家庭教師や調査だけでなく、集金や販売、現場の作業など) |
| 使用言語 | 日本語 |
| 連絡先 | ueyama@sfc.keio.ac.jp |
| 授業ホームページ | |
| 同一科目 | |
| 学生が利用する予定機材/ソフト等 |
ZOOMを使ったブレークアウト等があるのでスマホやタブレット端末よりもPC使用が望ましい N.A |
| 設置学部・研究科 | 総合政策・環境情報学部 |
| 大学院プロジェクト名 | |
| 大学院プロジェクトサブメンバー | |
| ゲストスピーカーの人数 | 1 |
| 履修選抜・課題タイプ=テキスト登録可 | true |
| 履修選抜・選抜課題タイプ=ファイル登録可 | false |
| GIGAサティフィケート対象 | |
| 最終更新日 | 2020/09/01 09:16:46 |
科目概要
この授業では企業の経営を広く、かつ深く理解し、評価・分析するための基礎的な視点と発想法を教えます。今まで経営・経済系の科目をとったことのない方でもゼロから学べるよう豊富な事例をもとに理論と実務で必要な本質を紹介する教材を使用します。この授業の履修者の期待成果(獲得目標)は次の通りです。
1 公開資料をもとに個別企業の実力を評価し、将来の発展の可能性をおおよそ予測できるようになること
2 ビジネス書や経済新聞・雑誌の記事を無理なく理解できること
3 企業経営者の役割と彼らが直面する経営課題を理解し、対話できること
4.「企業経営」の考え方を社会問題の解決やNPOの経営、公共経営、行政経営、個人のキャリア設計などに応用できること
This course covers Basics of Business Strategy and Corporate management
授業シラバス
主題と目標/授業の手法など
この授業は、反転授業形式で行います。すなわち毎回、事前に指定された資料を読んできたことを前提に授業は進みます。具体的には、予習課題(ほぼ毎回あります)の提出、発表、グループ討議、全体討議、演習へと進みます。講義もありますが従来型授業のスタイルではないのでご注意ください。
内容については、3つの角度から企業経営の本質を読み解く「リテラシー」の獲得を目指します。
第1は「企業経営手法」の理解。マーケティング、財務、M&Aなどの技法を学びます。
第2は「業界構造」の理解。外食、ホテル、鉄道、アパレルなど業界特有のビジネスモデルや成功の法則などを解明します。
第3は「財務」の理解。財務諸表の見方、資金調達、株式の扱いなどを学びます。
なお、履修者の理解度を確認するための「ミニクイズ」(20分程度)もしくはミニレポート提出が約5回あります。またゲストスピーカーの招聘(2回)も予定します。
なお、「リテラシー」の習得には数学、語学やコンピュータ系の科目のような毎回の積み重ねが求められます。毎回の出席、レポート提出を続けていかないと途中でわからなくなりますのでご注意ください。
N.A
教材・参考文献
「経営戦略 (ライトワークスビジネスベーシックシリーズ) 」山本和隆著(ファーストプレス
「戦略の断層」古我知史著(英治出版)「社長になる人のための経理の本」岩田康成著(日経ビジネス人文庫)、「増補版 財務3表一体理解法」國定克則 (朝日新書)
提出課題・試験・成績評価の方法など
出席状況、ミニクイズ、レポートを総合して成績評価をします。なお3回以上欠席すると単位取得できなくなります(病気、忌引きなど合理的理由がある場合を除く。ただし、必ず当日朝10:30までにoffice-ueyama@forest.ocn.ne.jpにメールで報告することが条件、教員やSAへのメールや口頭での申告はできません)。また電車遅延などの証明ができる場合を除き10分以上遅刻すると0.5回分の欠席となります。
N.A.
履修上の注意
毎回の予習(事前に読んでくる資料がたくさんある)と授業への出席が必要です。語学と数学と同様に欠席すると途中でわからなくなりますので予習復習を心がけてください。
N.A.
授業計画
第1回 企業経営の全体像
[NA]
シラバス説明のあと授業を構成する3つのリテラシー(「企業経営手法」、「業界構造」、「財務」)について解説します。また、オフィスグリコ、サイゼリヤなどのケースをもとに「ビジネスモデル」「バリューチェーン(ビジネスシステム)」「3C(カスタマー、コンペティター、カンパニー」といった企業の経営を分析する基礎概念を学びます
第2回 マーケティングとブランド戦略
[NA]
マーケティングの基礎である4つのPの考え方、マーチャンダイジング、顧客満足度、ブランドマネジメントなどについてナイキ、ルイ・ヴィトン、ディズニー、チロルチョコなどの事例をもとに学びます。また流通企業のプライベートブランドについても考えます。
第3回 コストと生産性の管理
[NA]
企業経営は利益を出すことが大前提です。そのためには営業、売上高の確保が大事ですが、いくら売れてもコストがかさめば赤字です。その意味でコストの管理は経営の基本です。また、コスト効率、つまり生産性も重要です。この回ではコストを巡る3つの課題(調達・外注管理、回転率改善、外出し)、コスト分析の基本(固定費、変動費、スケールメリットなど)についてIKEA、トヨタ、アップルなどの例を手がかりに解説します。
第4回 財務マネジメント−B/S、P/L、キャッシュフローの一体的理解
[NA]
経営の成否は一義的には収益で決まります。赤字か黒字か、純資産を増やしているか。今回は投資と利益の関係性、資本コストなど経営とお金の関係について広く学びます。また、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書についても学びます。
必読:授業全体の文献としてアップしてある「社長のための経理の本」
第5回 ゲスト講演(会社を経営するということ)
[NA]
金融機関の元経営者をゲストをお招きし、戦略、経営改革、キャリアデザインなどについて伺い討議もします。
第6回 講義と演習:ビジネスモデルの構築と組み換え
[NA]
(前半)持続的に利益を出すためには、競合に対する差別化優位構造の構築と安定的なビジネスモデルの構築が必要です。ここでは成熟業界の中で高収益をあげている企業(東横イン、自転車のあさひ等)がいかにしてビジネスモデルをみがきあげていったかを探ります。なお、ケースではこのほかに私鉄各社や京都の花街など様々なビジネスモデルについて学びます。必読:平野敦士カール『成功企業31社のビジネスモデル超入門』
(後半)実際に演習を通じてビジネスシステムの構築や組み換えの勘所を演習します
(ビジネスシステム、3C、SWOT分析など)
第7回 ITと企業経営—プラットフォーム戦略、シェアビジネス、DX—
[NA]
ITをテコに差別化優位を築くプラットフォーム型のビジネスモデルが出てきています(GAFA、Uber,Airbnb)など。さらに車両管理やB2Bの分野でもIOTとデータ解析を武器にプラットフォームづくりが進んでいます。同時に企業の業務のデジタル対応(DX:デジタルトランスフォーメーション)が進みます。さらに消費者同士の余剰資源を融通しあうC2C(P2P)のプラットフォームをつくるシェアリングビジネスも伸びています。今回はこれらITがもたらすビジネスモデルの変容とその行きつく先を考えます
第8回 組織、人材、コーポレートガバナンス
[NA]
企業経営は、いくら素晴らしい戦略があっても組織が動かなければ失敗です。今回は企業がどうやって意思決定し、どういう仕組みで動いているのか、また社員に業績評価やモチベーションを与える仕組み、さらにはコーポレートガバナンスのメカニズムを探ります(J&J、リッツカールトンホテル等の事例)。
第9回 企業変革のプロセス―リストラクチャリングと破たん再生
[NA]
リストラクチャリングは企業が自ら行う事業構造の組み換えです。また企業再生は経営破たんしたあとに第3者も関与して行なうリストラクチャリングです。今回は良品計画、マクドナルド、日産、兼松(商社)などを例に、こうした企業変革のプロセスを学びます。なお破綻企業の再生には法律に基づく手法があり、その考え方も学びます
第10回 成長戦略と事業ポートフォリオの再編
[NA]
事業には寿命(事業ライフ)があります。そこで企業はたくさんの事業を手がけ、ときには提携やM&Aで新たな事業分野を開拓するなど、成長戦略を展開します。そのことで持続可能な成長戦略を描き、ステークホルダーの支援を得ていきます。ポイントはグローバル戦略、そして川上・川下への進出です。今回は、事業の選択と集中、事業ポートフォリオ、成長戦略について富士フィルムやLIXIL、JR各社などの事例をもとに考えます。
第11回 M&Aと企業提携(アライアンス)
[NA]
企業が自力で新規事業を育てるには時間がかかります。そこでしばしば他社との提携(アライアンス)、合併、あるいは買収という手段がとられます。また破綻再生の際にも事業や企業の売却や経営統合、資本注入が行われます。今回は企業の資本とオーナーシップを動かす手法と事例をJT、キリンなどの例をもとに学びます。またPMI(ポスト・マージャ―・インテグレーション)についてもJFEスティールなどの例をもとに学びます
第12回 業界再編と世界戦略
金融、商社、百貨店などの業界では経営統合が相次ぎ、業界構造が変わりました。世界レベルでも製鉄、航空、製薬、タイヤなどで大型合併が相次ぎます。業界構造が変わると個別企業と川下業界との力関係や収益構造も変わります。また最近はITと金融を軸に業種を超えたプラットフォームの再編が起こりつつあります。今回は個々の企業の経営努力を超えたレベルで業界全体の収益メカニズム、そして業界の枠組みや定義そのものが変わる構造について洞察を深めます。
NA
第13回 演習 企業分析
個別企業を選び、経営課題を洗い出し、解決策を導き出します(中間レポートとして提出)
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第14回 演習 業界分析
特定の業界を選び、各社の経営課題を洗い出し、M&Aや業界再編による収益構造の改善策を導き出します(最終レポートとして提出)
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第15回 成長戦略と多角化
自習教材を提供し、理解を深めます。
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15回目に相当するその他の授業計画
レポートを2回課します(1回目は個別具体企業の経営評価、2回目は特定の業界のこれまでのM&Aと再編の状況分析と今後に向けた再編構図の設計)
N.A