A1101
研究会A
SEMINAR A
研究プロジェクト科目
Research Seminars
4 単位

現代中国研究と比較政治研究
Contemporary China Studies and Comparative Politics

開催日程 秋学期 火曜日4時限,火曜日5時限
担当教員 加茂 具樹(カモ トモキ)
関連科目 前提科目(推奨): C1140,C1101
授業形態 ディスカッション、グループワーク、演習
履修者制限
履修条件

使用言語 日本語
連絡先 tomoki@sfc.keio.ac.jp
授業ホームページ https://www.kamotomoki.com
設置学部・研究科 総合政策・環境情報学部
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数
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GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/07/08 11:03:45

研究会概要

目的・内容

中国を理解する。これが私たちの研究会の目的です。「中国に興味がある」学生。あるいは「比較政治学に興味がある」学生。いずれかであれば歓迎します。

研究会の中心的な活動は、自分で研究課題を設定して論文を書くことです。私の研究関心に同調する必要は全くありませんが、私のこれまでの問題関心(研究課題)を共有しておきます。私は元々中国政治に興味を持っていますが、とくに、その真ん中の真ん中にある分野を専攻したいと思ってきました。時間と体力と情熱を注いで取り組むのであれば、一番難しい問いを取り組みたい。そう考えてたどり着いたのが中国のエリート政治研究です。こうした意識のもとで、次に示す2つの点に関心をもって研究しています。一つは中国共産党による一党体制の生命力です。なぜ一党支配は持続しているのでしょうか。この問いを解き明かすために、現代中国の政治を形づくっている政治制度に注目しています。つまり、エリート政治を形づくっている政治制度です。このとき私は、比較政治学の分析の枠組みがどの程度中国の政治制度を説明できるのか、中国の政治研究はどの程度中国を含む権威主義国家の政治制度の理解に貢献できるのか、この視点を重視しています。

いま一つの関心は政治過程です。中国政治研究の論点は「体制が持続するのか、しないのか」だけではありません。私は躍動する中国を政治という視点から説明したい。その結果、たどり着いた研究分野が政治過程研究です。中国が市場経済化の道を歩みはじめて以来、その政治過程は変化しています。経済成長によって国力が増えた中国は、外交の手段も増やしています。この変化は国内政治と中国を取りまく国際環境の相互作用によって生まれます。政治過程研究は、大きく変化している中国を理解するための重要な手掛かりを提供してくれます。

研究会履修者は自分で研究課題を設定してください。自分自身の時間を使って主体的に研究することを期待しています。研究課題は、中国地域研究や比較政治学の分析枠組みを使った地域研究、日中関係や北東アジアの国際関係などに関係するものであれば、歓迎します。この他、研究会では、現代中国政治、外交、社会、そして比較政治学に対する理解を深めるための輪読をおこないます。また研究関心の近い研究会のメンバー数名でチームを作り、共同研究と研究発表をしてもらいます。履修者が取り組む研究課題の途中成果および最終成果を発表する機会を授業中に随時設けます。そして学期末には、研究課題の成果物として論文の提出を求めています。卒業前の学期に履修する場合は、卒業論文の提出を求めます。

この他、若手中国研究者、新聞記者や官僚の皆さんをお招きした講演の場を設けます。また、(COVID-19の影響を考慮しなければなりませんが)アジア経済研究所の図書館ツアーも実施します。この図書館は素晴らしいです。研究者にとっての天国です。

皆さんと、中国をめぐって思い存分に議論したいと思っています。待っています!それから、私はお酒が好きなので、飲みながら、じっくりと議論できる人の参加も期待しています。

[ 写真は、https://www.scmp.com ]

This seminar will focus on Chines politics and comparative politics. In this seminar students are requested to pick up your own topic and make presentations. It also means students need to devote their time and other resources to prepare for their researches outside usual class time. Any topics on China or comparative politics are welcomed. Students make their final presentations and submit their papers.

評価方法

評価は、研究会での講義への貢献度、発表、課題提出などによって決定します。

Class attendance, presentations, participation to discussions and papers are evaluated in total.

教材・参考文献

以下の1-3の書籍は2020年春学期までの研究会で輪読した書籍です。4-6の書籍は2020年秋学期に読む予定の書籍です。必ず手に入れておいてください。また適宜研究会ホームページをチェックしてください。

# 高坂正堯『国際政治』中央公論社、1966年。
# 小島朋之『 中国現代史―建国50年、検証と展望』中公新書、1999年。
# スーザン・シャーク『危うい超大国』日本放送出版協会、2008年。
# 小野寺史郎『中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史』中公新書、2017年。
# 飯島渉『感染症の中国史 公衆衛生と東アジア』中公新書、2009年。
# 石川禎浩『革命とナショナリズム 1925−1945』岩波新書、2010年。
# 益尾知佐子『中国の行動原理-国内潮流が決める国際関係』中公新書、2020年。

関連プロジェクト

課題

研究会の履修を希望する場合、継続履修者は7月21日までに、新期履修者は7月28日までに、担当教員宛てに履修希望の旨をメール連絡してください(メールの件名は、私が見落とさないようにするために「研究会履修希望」としてください)。その際、自己紹介、500字以内で研究会を履修する理由と研究会にて取り組みたい研究テーマ、を記してください。当方から、折り返し面接時期についてのメールを送ります。

要望があれば7月28日にZoomあるいはWebexで説明会を開催します。

来期の研究プロジェクトのテーマ予定

変わりません。

その他・留意事項

COVID-19の情況が改善すれば、慎重に検討の上、学期中、オンキャンパスでの研究会実施を模索します。アジア経済研究所の図書館ツアー(日帰り)も実施します。また、COVID-19の情況が改善すれば、香川県高松市との共同研究のプロジェクトも行う予定です。

情況が改善すれば、夏休みに、中国本土(北京、南京、上海のいずれか)あるいは台湾(台北)にて、現地の大学生と研究交流を行うことも検討しますが、これは、かなり難易度が高いでしょう。

授業スケジュール

夏休みの間に必ず個人の研究テーマを考えておいてください。第1回目の研究会でその構想を披露してもらいます。

第1回:秋学期研究会で取り組む研究テーマ(案)について報告してください。

第2回から第4回:輪読。

第5回から第14回:グループ発表、個人研究発表を行います。個人研究発表は、かならず学期中に3回の報告の機会が得られるように設定します。