2020年秋学期 - 産業保健心理学 / OCCUPATIONAL HEALTH PSYCHOLOGY
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X1078 産業保健心理学 OCCUPATIONAL HEALTH PSYCHOLOGY |
特設科目 Special Subjects 2 単位 |
| 実施形態 | 完全オンライン |
| 開催日程 | 秋学期 火曜日４時限,火曜日５時限 |
| 担当教員 | 島津 明人（シマズ アキヒト） |
| 関連科目 |
前提科目（推奨）: B6153,X1013 前提科目（関連）: B6082,B6084,B6083,C1049 |
| 開講場所 | SFC |
| 授業形態 | 講義、グループワーク |
| 履修者制限 |
履修人数を制限する Only the selected students can take this course. |
| 履修条件 |
真剣に学ぶ熱意と意欲がある学生を受け入れます。人間の行動，こころの健康，働く人の健康増進，生産性向上に関心のある学生を歓迎します。 Students with passion to learn and interests in human behavior, mental health, health promotion and performance management in the workplace are all welcome. |
| 使用言語 | 日本語 |
| 連絡先 | ashimazu@sfc.keio.ac.jp |
| 授業ホームページ | |
| 同一科目 | |
| 学生が利用する予定機材/ソフト等 | |
| 設置学部・研究科 | 総合政策・環境情報学部 |
| 大学院プロジェクト名 | |
| 大学院プロジェクトサブメンバー | |
| ゲストスピーカーの人数 | 2 |
| 履修選抜・課題タイプ=テキスト登録可 | true |
| 履修選抜・選抜課題タイプ=ファイル登録可 | false |
| GIGAサティフィケート対象 | |
| 最終更新日 | 2020/07/19 17:11:41 |
科目概要
産業保健心理学とは，労働生活の質を高め，労働者の安全・健康・幸福（well-being）の保持・増進のために心理学の知見を適用する心理学の応用領域である。産業保健心理学が扱う「対象」は多岐にわたっており，労働者個人だけでなく，労働者が所属する組織や労働者を取り巻く職場環境も，研究や実践の対象とする。また，取り上げる「内容」も，ストレス，疾病，ケアなどのネガティブなアウトカムだけでなく，生産性，動機づけ，キャリアなどのポジティブなアウトカムも含まれる
本講義では，職場のメンタルヘルスの考え方と進め方のほか，最近のトピックである，ポジティブメンタルヘルス，余暇・休み方と健康，過労死，海外勤務者のメンタルヘルス支援，職場のいじめ・ハラスメントについても取り上げる。
Occupational health psychology concerns the application of psychology to improving the quality of work life, and to protecting and promoting the safety, health and well-being of workers. It covers not only workers but also work organization and environment. It also deals with negative aspects of well-being (e.g., stress, diseases,injury) as well as positive aspects (e.g., performance, motivation, career).
In this course, students will learn concepts and activities of occupational mental health. They will also learn current topics such as positive mental health, leisure time and health, death from overwork (Karo-shi) and suicide from overwork (Karo-jisatu), mental health support for oversea workers, and bullying and harassment.
授業シラバス
主題と目標／授業の手法など
働く人のwell-beingの向上に関連する研究，実践，政策の最先端の状況について，ゲストスピーカーも招きながら学びます。講義を主体に，受講者間のディスカッションやグループワークを交えます。積極的な参加を歓迎します。
Students will learn current topic of research, practice and policy in terms of well-being among workers, through lecture, discussion and
groupwork. Active involvement is highly welcome.
教材・参考文献
島津明人 (編著)(2017) 産業保健心理学, ナカニシヤ出版
島津明人 (2014) ワーク・エンゲイジメント;ポジティブメンタルヘルスで活力ある毎日を. 労働調査会
島津明人（編著）(2018) Q&Aで学ぶワーク・エンゲイジメント. 金剛出版
提出課題・試験・成績評価の方法など
毎回の講義終了後に，課題を提出します。また最終レポートも提出します。出席状況，毎回の課題および最終レポートの提出状況と内容，などを総合的に考慮して成績を評価します。
Students should submit every week end-of-class assignment and take final examination. The final grade will be based on every week end-of-class assignment, final examination, and classroom attendance and engagement.
履修上の注意
授業開始後15分以上たった入室は「遅刻」となり，35分を超えると「欠席」扱いとなります。成績評価に影響するので注意して下さい。
Class attendance is critical. Entering classroom 15 minutes after the class starting time will be counted as "being late", and 35 minutes after will b counted as "being absent".
授業計画
第1回 産業保健心理学（総論），職場のメンタルヘルスの考え方と進め方
[Occupational health psychology (Introduction), Occupational mental health]
産業保健心理学の考え方，関連する学問領域，提唱の背景，国際動向を解説します。
職場のメンタルヘルスの考え方と進め方について概説します。関連する法律，制度，施策を紹介したうえで，第1次予防〜3次予防の内容を概説します。
第2回 第1次予防：上司教育
[Primary prevention: Supervisor training]
第1次予防のうち，上司教育（管理監督者研修）の内容を解説します。職業性ストレスモデルにおける位置づけ，科学的根拠とガイドラインを紹介したうえで，実際の教育内容を紹介します。
第3回 海外勤務者のメンタルヘルス支援
[Mental health support for overseas employees]
企業活動の国際化に伴い，海外で勤務する労働者も増加している。海外勤務に伴う健康問題とその対策について，特にメンタルヘルスに焦点を当てて解説する。
第4回 第1次予防：セルフケア
[Primary prevention: Self care]
第1次予防のうち，セルフケアの内容を解説します。心理学的ストレスモデルに基づくセルフケアの考え方，セルフケア教育の効果に関する科学的根拠とガイドラインを説明した後，セルフケアの簡単な体験を行います。
第5回 第1次予防：職場環境改善
[Primary prevention: Improving work environment]
第1次予防のうち，職場環境改善の内容を解説します。代表的な職業性ストレスモデルの解説，職場環境改善の効果に関する科学的根拠とガイドラインを説明した後，参加型ワークショップの簡単な体験を行います。
第6回 労働者の健康支援の実際
[Practice in health support for workers]
労働者のメンタルヘルスを含む健康支援には，様々な関係者（ステークホルダー）が関わっている。講義では，ゲストスピーカーを招き，健康支援の最新の動向を解説する。
第7回 職場のいじめ・ハラスメントとメンタルヘルス
[Bullying/harassment and mental health in the workplace]
労働者のメンタルヘルスを阻害する要因として，近年，その重要性が注目されている職場のいじめ・ハラスメントを取り上げ，学術研究の動向と対策の実際を解説する。
第8回 第2次予防（早期発見・早期対応）と第3次予防（休復職支援）
[Secondary (early detection and intervention) and tertiary prevention (return to work support) ]
第2次予防（早期発見・早期対応）と第3次予防（休復職支援）の内容を解説します。それぞれの活動における関係者の連携方法，支援ツールの紹介も併せて行います。
第9回 過労死・過労自殺
[Death from overwork/suicide]
働き方改革が進められている現在，日本人労働者の労働時間は諸外国と比較して依然として長い。講義では，過労死・過労自殺の実情やその背景，対策の最新の動向を解説する。
第10回 職場のポジティブメンタルヘルスとワーク・エンゲイジメント
[Occupational positive mental health and work engagement]
近年の職場のメンタルヘルスの新しい動向であるポジティブメンタルヘルスの内容と実践を解説する。ワーク・エンゲイジメントをキーワードに研究と実践の最新動向を紹介する。
第11回 余暇・休み方と健康
[Leisure time and health]
労働者の健康は，職場以外の要因によっても影響を受ける。今回は，仕事以外の時間である余暇の使い方，休み方と健康との関連について，研究と実践の最新動向を紹介する。
第12回 ワーク・ライフ・バランスと健康
[work-life balance and health]
ワーク・ライフ・バランス（WLB：仕事と生活の調和）と訳されると健康との関連を解説する。WLBに関する理論モデルの紹介，科学的根拠，介入事例，施策を中心に解説する。
第13回 オフィスアワー
[Office hour]
第14回 オフィスアワー
[Office hour]
第15回 オフィスアワー
[Office hour]
15回目に相当するその他の授業計画
コースの振り返りを行います。