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ITと学習環境
TECHNOLOGY PROJECT (LEDIT PROJECT)


2 単位
実施形態 完全オンライン
開催日程 秋学期 水曜日2時限
担当教員 西川 葉澄:國枝 孝弘:倉林 修一:藁谷 郁美(ニシカワ ハスミ:クニエダ タカヒロ:クラバヤシ シユウイチ:ワラガイ イクミ)
関連科目
開講場所 SFC
授業形態 講義、実習・演習
履修者制限
履修条件

使用言語 日本語
連絡先 nhasumi@sfc.keio.ac.jp
授業ホームページ
同一科目

学生が利用する予定機材/ソフト等

設置学部・研究科 政策・メディア研究科
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数 1
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GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/07/26 22:56:58

科目概要

 ITの飛躍的な発展によって、21世紀の学習は「学習環境論」という新しい研究分野を生み出した。そして現在COVID-19の影響下、我々の日常生活を含めた教育環境全体の大きな構造変化が起こりつつある。教室内でのフォーマルラーニングと教室外でのインフォーマルラーニングが連動して自律学習環境を構築する従来の学習環境構造は、今や大きな転換期の途上にあるといえよう。「学習環境論」は、認知科学、脳科学、文化・コミュニケーションなどさまざまな専門分野との接点を持っている。またグローバリゼーションと教育、一貫教育・個別自律学習、状況学習など、新しい視点での教育・学習研究が進む中、「環境デザイン」という視点でも重要度を増している。本講義では、この重大な転換期に向けて、教育に携わる人々とテクノロジーを提供する人々とのコラボレーション、学習者のニーズへの洞察、新しい学習スタイルに効果的なコンテンツの開発、また新たな学習スタイルへの認識など、幅広い知識と実践力を備えた人材を育てることを目的に、教員4名がそれぞれのフィールドにおける研究を踏まえてIT利用の学習環境を論じ、学生による学習環境への斬新な提案を求める。理論と実践を通して新しい学習環境構築に創造力を発揮してもらいたい。

授業シラバス

主題と目標/授業の手法など

 この授業は、広く「学習環境」を取り上げる授業です。外国語学習に限りません。学習・教育に深く関わるようになったITをキーワードに、広く人間の学習環境について議論します。

・1回目に、ガイダンスを行います(含:担当者紹介・学生自己紹介)。

教材・参考文献

参考文献は、授業で適宜紹介します。

提出課題・試験・成績評価の方法など

 以下のすべての課題を提出することが必須です。具体的な方法については1回目の授業の際に指示をします。

課題1は、自分で教材を作ってみるという課題。教材の目的を設定して作成プランをたて、約3週間で一つの教材作成を体験する。
課題2は、トータルのコースウェア作成が主目的の課題。コースの目的を設定してコースウェアを企画する。そのコースウェアのコンセプト、到達目標、カリキュラム、シラバスを書き、その特色と利点について根拠をもって述べる。これはレポートとして提出。 以上の課題評価と出席などの平常点を加味して最終評価を行います。
課題3は、課題2のプレゼンテーションを対象とするピアレビュー(各5〜10センテンス程度に簡潔にまとめる)。

履修上の注意

授業計画

第1回 概要説明、IT利用教材事例紹介、ディスカッション

概要説明、IT利用教材事例紹介をする。
ディスカッションのテーマ:オンライン授業/オンデマンド授業において利用されている教材の分析・評価

藁谷、國枝、倉林、西川


第2回 学習環境デザインとコースウェア

学習環境をデザインするとは何か? オンライン授業を想定した実践と研究事例を紹介しながら、さまざまな分野の学習環境デザインを概観する。

藁谷


第3回 学習環境デザイン研究

学習環境デザインを研究対象とする場合のテーマ設定、研究手法、実証実験の実施、共同研究の事例等を取り上げながら、自分たちの具体的研究構想を検討してみる。

藁谷


第4回 オンライン・コースウェアと教材作成

オンライン学習の効果を最大化するためのコースウェアの概念について説明する。オンライン講義では、紙媒体から電子媒体への移行や教室からバーチャル教室への移行のような局所的なデジタル化に加えて、予習・講義・複数・評価の一連のプロセス全体をデジタル化することにより、学習活動にデジタル化の新たな価値を浸透させていく、デジタル・トランスフォーメーション(DX)を実現することが重要となる。本講義では、DXを伴う具体的なコースウェアの作成手法、教材作成手法、リアルタイムのオンライン講義と非同期のビデオ講義を組み合わせた講義手法を論じる。

倉林


第5回 学生発表課題1

課題1の発表とともに課題2(コースウェア作成)についての説明。
課題1:オンライン授業、あるいはオンデマンド授業に適した教材を自ら考えて発表する。

國枝


第6回 ゲスト講演:尾花 尚弥氏 (三菱総合研究所 社会公共マネジメント研究本部 政策評価チームリーダー)

学習を「評価」する (仮)。数値化の難しい「学習」の効果を、どのように評価できるか、という部分に焦点をあてた内容になるかと思います。特に評価軸そのものをどう規定すれば良いか迷うようなケースについて、現場の試行錯誤のプロセスなどをお話いただければと思っています。

藁谷


第7回 協調学習

学習者同士が協力し合いながら学びを深めていくスタイルとしての協調学習について説明する。Project-Based Learning (PBL)、リモート学習、ジグソー法、および、国際産学連携型インターンシップモデルなどを取り上げ、オンライン学習において学習者同士の協調を促進する方法を論じる。また、従来の座学に比べるとプロセスが複雑になりがちな協調学習を、ITで支援する手法を紹介する。

倉林


第8回 異文化理解のための教材

異文化理解を目的とした独自教材の選択、それを用いた授業運営について説明する。

國枝


第9回 外国語学習とメタ認知について

外国語学習における学習者自身による学習ストラテジーへの「気づき」と フィードバックの有効性 : 学習計画、ポートフォリオ、ジャーナル等とITツールの活用について紹介する。

西川


第10回 協働学習の実践例とオンラインにおける場作り、ファシリテーターの役割

協働学習の実践例の紹介。オンラインにおける場作りの意義、教員のファシリテーターとしての役割について説明する。

西川


第11回 新しい学習環境と社会

新しい学習環境として、スマートフォン/タブレットなどのモバイル端末を用いた学習環境、および、SNSとの連携による新たな学びについて説明する。特に、今日のCOVID-19パンデミックは世界中を大きく変容させており、ポストコロナ/ウィズコロナの状況に適した学習環境を実現することは、喫緊の課題である。本講義では、クラウドとスマートフォンを活用して、学習者が主体的に学習環境にコミットしていく学習モデル、および、その学習環境を支える基盤技術について説明する。

倉林


第12回 学生発表:課題2(コースウェア作成)

学生による発表と全体のまとめ

藁谷、國枝、倉林、西川


第13回 参考文献読解

参考文献1・2(詳細は初回の授業で指示する)

藁谷、國枝


第14回 参考文献読解

参考文献3・4(詳細は初回の授業で指示する)

倉林、西川


第15回 ピアレビューセッション

課題2のプレゼンテーションを対象とするピアレビュー(各5〜10センテンス程度に簡潔にまとめる)。

藁谷、國枝、倉林、西川


15回目に相当するその他の授業計画

全体のふりかえり