B3211
ベイズ統計
BAYESIAN STATISTICS
創造技法科目-ナレッジスキル
Creative Courses (Skill) - Knowledge Skill
2 単位
実施形態 完全オンライン
開催日程 秋学期 月曜日2時限
担当教員 鳥谷部 智規(トヤベ トモキ)
関連科目 前提科目(推奨): B3102,B3101,B3210
前提科目(関連): C1069
開講場所 SFC
授業形態 講義、実習・演習
履修者制限
履修条件

「データサイエンス基礎」の単位を修得していること。またはデータサイエンス科目認定試験に合格していること。

In order to register the Subjects of Data Science, students need to earn credits for "Basics of Data Science" or pass the "Data Science Qualification Examination"

使用言語 日本語
連絡先 toyabet.fac.econ@keio.jp
授業ホームページ
同一科目

学生が利用する予定機材/ソフト等

パソコン,Python

設置学部・研究科 総合政策・環境情報学部
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数 0
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GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/08/25 15:29:19

科目概要

近年では経済学やファイナンスはもちろん、経営学、医学、心理学、マーケティングなど様々な分野でベイズ統計学が着目されている。この講義ではベイズ統計学と非ベイズ統計学の相違点から、ベイズ統計学の基礎であるベイズの定理,事前確率から事後確率へのベイズ更新、数値解析法であるマルコフ連鎖モンテカルロ法、ベイズ統計学におけるモデル選択,ベイズ推定の正規分布モデルや回帰分析モデルへの応用、個体差を扱う階層ベイズモデルについて説明する。講義中では実際にPythonを用いた演習を多く取り入れる予定である。

授業シラバス

主題と目標/授業の手法など

ベイズ統計学の考え方自体は20世紀中頃にはすでに存在していたが,脚光を浴びているのは21世紀に入ってからであるといっても良い。その背景にはコンピュータの発展により数値計算が容易になったことが挙げられる。そのため,ベイズ統計を学ぶ上では理論の学習のみにとどまらず,実際にコンピュータを用いて計算を行うスキルが必要不可欠である。

そこで本講義では,ベイズ統計学の枠組みによる様々な計算・推定・アルゴリズムについて理論を理解するとともに,実際にPython言語を用いて自分の手で実行することが可能になることを目的とする。そのため本講義では,理論の解説とPythonによる演習をバランスよく取り入れていく予定である。受講者は,毎回の講義に自分のPCを持参することが必須である。

教材・参考文献

繁桝算男. ベイズ統計入門. 東京大学出版会, 1985.
中妻照雄. 入門ベイズ統計学. 朝倉書店, 2007.
古澄英男. ベイズ計算統計学. 朝倉書店, 2015.
中妻照雄. Pythonによるベイズ統計学入門. 朝倉書店, 2019.

提出課題・試験・成績評価の方法など

学期末に提出するレポートによる評価を行う。

# ベイズ統計学の理論的な背景についての簡単なレポート
# 実際にPythonを用いてベイズ推定を行い,分析結果についてのレポート

履修上の注意

基本的な統計(確率分布・相関・回帰・尤度等)と数学(指数・対数・微分・積分・確率)の知識を前提とします。

授業計画

第1回 イントロダクション

授業で扱う内容と日程、成績評価方法など講義について説明する。
ベイズ統計学と頻度統計学の違いについて概説し,近年ベイズ統計学が注目されている理由について紹介する。


第2回 条件付確率とベイズの定理

ベイズ統計を学ぶ前提として,基本的な確率と条件付確率について説明し,その後ベイズ統計の基礎となる主観確率・ベイズの定理について説明する。


第3回 尤度関数

統計学の概念の一つである尤度について復習し,ベイズ統計学の文脈における尤度関数について説明する。


第4回 確率と確率分布

ベイズ統計学を始め統計学で頻繁に用いられるいくつかの確率分布について説明する。


第5回 ベイズ推論(1)

基本的な確率分布におけるベイズ推定について説明する中で,事前分布・事後分布の関係を説明し,共役な事前分布についても説明する。
基本的な確率分布のベイズ推定について説明する。
(二項分布)


第6回 ベイズ推論(2)

前回に引き続き,基本的な確率分布のベイズ推定について説明する。
(ガンマ分布・正規分布)


第7回 ベイズ推論(3)

前回までの講義内容の理解を問う(課題・レポート)


第8回 MCMC法(1)

ベイズ推定で頻繁に用いられる数値計算法であるMCMC(マルコフ連鎖モンテカルロ法)について説明する,その前段階として「マルコフ連鎖」と「モンテカルロ法」について解説する。


第9回 MCMC法(2)

MCMC法のアルゴリズムのうち,よく用いられるMetropolis-Hastings法、Gibbs Samplingについて説明する。


第10回 MCMC法(3)

MCMC法を実際に行う際に注意したいこと,収束の判定方法や得られた結果を解釈するためのいくつかの指標について説明する。


第11回 MCMC法(4)

前回までの講義内容の理解を問う(課題・レポート)


第12回 モデル選択・仮説検定

ベイズ統計におけるモデル選択及び仮説検定の枠組み(情報量規準・ベイズファクター等)について説明する。


第13回 ベイズ統計モデリング(1)

一般的な線形回帰をベースに,ベイズ統計学を利用した統計モデリングの基本について説明する。


第14回 ベイズ統計モデリング(2)

前回に引き続き,ベイズ統計学を利用した統計モデリングの応用について説明する。階層ベイズモデルを用いて,一般的な線形回帰では難しい「個体差」のモデリングを行う。


第15回 ベイズ統計モデリング(3)

講義を通じての内容の理解を問う(課題・レポート)


15回目に相当するその他の授業計画

課題・レポート