C1003
近代思想の世界
MODERN THOUGHT
創造融発科目
Creative Courses (Philosophy)
2 単位
実施形態 完全オンライン
開催日程 秋学期 木曜日2時限
担当教員 小熊 英二(オグマ エイジ)
関連科目
開講場所 SFC
授業形態 講義
履修者制限

履修人数を制限する

受入学生数(予定):約 150 人
選抜方法:システムによる選抜(抽選)

◯エントリー〆切日時:2020年9月28日(月) 17:00
◯履修許可者発表日時:2020年9月30日(水) 17:00

Only the selected students can take this course.

Number of students in the class (scheduled) : About 150
Automatic Screening (Lottery)

* Schedule: TBD

履修条件

履修にとくに条件はない。オンライン講義のURLは、SFC−SFSの初回講義内容に提示する予定なので、事前にアクセスしておくこと。SFC-SFSの毎回の資料登録で事前にPDFのレジュメを配布するので、プリントアウトして手元におき、それを参照しながら講義内容を手書きかラップトップでノートをとること。それをもとに毎回の講義レポートを提出してもらい、それと出席状況をもって評価対象とする。

使用言語 日本語
連絡先 oguma@sfc.keio.ac.jp
授業ホームページ
同一科目

学生が利用する予定機材/ソフト等

設置学部・研究科 総合政策・環境情報学部
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数 0
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GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/07/21 14:54:46

科目概要

この講義では、古代ギリシャから始って、ホッブズ、ロック、ルソー、バーク、アダム・スミス、カントなど、ヨーロッパの近代政治思想を学ぶ。これらの政治思想がどんな社会的背景から出現してきたかの歴史を学ぶ事により、近代国家の理想のあり方についてどんな議論が積み重ねられてきたかを知り、現代社会をつかみ直す視点を得ることを目標とする。オンラインではあるが、できるだけ双方向性を重視したい。

授業シラバス

主題と目標/授業の手法など

この講義では、古代ギリシアからはじまり、現在にいたる哲学の流れを把握することを目標とする。哲学は系統的な学問であり、基礎から学べば、難解とされる本も読めるようになる。逆に言えば、基礎を学ばずに読んでも理解はできない。そして哲学は、経済学・政治学・物理学・情報工学・認知科学などすべての学問の基礎であり、大学で学ぶ者にとって必須ともいえる基礎である。そしてこの基礎を学べば、他国の人々や異分野の人々とも、コミュニケーションの基盤ができる。そうした基礎を学ぶことが、この講義の目的である。授業方法については、「履修条件」を参照。

教材・参考文献

小笠原弘親・小野紀明・藤原保信著「政治思想史」(有斐閣Sシリーズ)を参考図書とする。担当者の講義と意見がちがうところがあるが、復習には便利。ただしこの教科書を読んでも講義の代用にはならない。また小熊英二「社会を変えるには」(講談社現代新書)には、この講義に重なる章が部分的にあるので、読むと参考になる。

提出課題・試験・成績評価の方法など

毎回の講義を3000〜5000字程度に要約したレポートを、SFC−SFSを通じて翌週までに提出すること(毎回の配布レジュメが2000字程度あるので、講義を聞いてレジュメの内容に肉付けするだけでも3000字以上にはなるはず)。その内容と提出回数、出席状況(オンライン接続状況)などで評価する。レポートに不正(他人のレポートの盗用など)などがあった場合は、当該学期の全科目がDになるので、絶対にしないこと。メモ書き状態で文章になっていないもの、配布されたレジュメの丸写しなどは、提出と認めない。

履修上の注意

「履修条件」「提出課題」の項目を参照。

授業計画

第1回 第1回 哲学、法、イデア

まず「哲学」とは何かについて話し、プラトンの思想を概説する。ここがわからないと、全てわからなくなるので、履修希望者は必ず出席して聞くこと。


第2回 第2回 哲人王と政治体制

この回では、プラトンの政治思想について概略し、彼の政治体制論について学ぶ。


第3回 第3回 アリストテレス

この回では、主にアリストテレスについて話す。西洋政治思想は、すべてプラトンとアリストテレスの注釈といってもよい。この回が理解できれば、その後の回の基礎となる。


第4回 第4回 ルネサンスと近代科学

この回では、中世秩序とその崩壊、およびニュートンやデカルトなど近代科学思想の出現を概略する。


第5回 第5回 社会契約説

この回では、17世紀イギリスのホッブズとロックの思想をもとに、社会契約説と近代自由主義について考える。


第6回 第6回 ルソー

この回では、フランス革命前後の思想からルソーをあつかう。彼の「民主主義」とはどのようなものとして構想されたのか、その実現は本当に可能なのかを考える。


第7回 第7回 保守思想

この回では、デカルトの反動ともいえるヒューム、フランス革命の反動として現れたバークなどの保守主義を考える。カントの思想や、ナショナリズムの理解に役立つ。


第8回 第8回 アダム・スミス

この回では、アダム・スミスについて述べる。自由主義経済思想の元祖であるスミスは、じつは倫理思想家であった。彼の思想を検討し、自由主義経済思想の前提を問い直す。


第9回 第9回 功利主義

この回では、ベンサムやミルなど功利主義について述べる。「最大多数の最大幸福」や「太った豚より痩せたソクラテス」という彼らの思想を通して、自由主義の意義と限界を考える。


第10回 第10回 カント

この回では、カントを紹介する。カントは近代科学、近代法思想や世界連邦論などで知られる人物であり、彼の考え方を理解することは認知科学やITの理解にも役立つ。


第11回 第11回 アレントとドラッカー

この回では、プラトン以降の思想を応用した、20世紀の思想家を理解する。いきなり読んだらわからない思想も、基礎から学べばわかることが実感できるだろう。


第12回 第12回 アメリカ現代思想

この回では、アメリカ現代思想からジョン・ロールズとロバート・ノージックの思想を学ぶ。カント、ロック、ホッブズなどを踏まえて20世紀のアメリカを論じた人々である。


第13回 第13回 ヘーゲル

ヘーゲルは国家を正当化する保守思想につながる一方、現代のポストモダン思想やマルクス主義の元祖的役割も果たした。難解とされる思想家だが、順を追って理解すれば現代思想の基礎がわかる。


第14回 第14回 マルクス

この回では、マルクスの思想について述べる。多くの限界を指摘されている思想ではあるが、近代社会の批判的検討という点では、現在でも学ぶに値する思想家である。


第15回 第15回 主権国家

この回では、近代主権国家について述べる。主権国家は内政不干渉や政教分離など、現代の政治の基本原則をつくった。この基本原則が何を意味しているかを考え、あわせてやマキャベリやボダンなど思想を紹介する。


15回目に相当するその他の授業計画

アメリカ政治思想を論ずる