2020年秋学期 - 韓国社会論 / KOREAN SOCIAL STUDIES
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C1123 韓国社会論 KOREAN SOCIAL STUDIES |
先端科目-総合政策系 Advanced Subjects - Series of Policy Management 2 単位 |
| 実施形態 | 完全オンライン |
| 開催日程 | 秋学期 木曜日1時限 |
| 担当教員 | 柳町 功(ヤナギマチ イサオ) |
| 関連科目 | |
| 開講場所 | SFC |
| 授業形態 | 講義 |
| 履修者制限 |
履修人数を制限する Only the selected students can take this course. |
| 履修条件 | |
| 使用言語 | 日本語 |
| 連絡先 | iyanagi@sfc.keio.ac.jp |
| 授業ホームページ | |
| 同一科目 | |
| 学生が利用する予定機材/ソフト等 | |
| 設置学部・研究科 | 総合政策・環境情報学部 |
| 大学院プロジェクト名 | |
| 大学院プロジェクトサブメンバー | |
| ゲストスピーカーの人数 | 0 |
| 履修選抜・課題タイプ=テキスト登録可 | true |
| 履修選抜・選抜課題タイプ=ファイル登録可 | false |
| GIGAサティフィケート対象 | |
| 最終更新日 | 2020/07/06 11:05:07 |
科目概要
韓国における経済発展の基本構造はどのようなものだったのだろうか。1960年代からの国家主導の開発経済体制の中で急速な工業化を成し遂げたのに続き、1987年の民主化宣言、1997年のIMF経済危機、2008年の世界金融危機を経てダイナミックに変化した。政府が強力なリーダーシップを発揮し経済運営をコントロールする官治経済体制は、もはや有効性を喪失して久しい。国内市場の開放、高賃金国家への移行は韓国経済の基本的枠組みを根本から変え、グローバル化の影響はそうした動きを一層速めている。サムスン電子や現代自動車、ポスコに代表される韓国発のグローバル企業は、世界を舞台に先進国企業や後方から急速に追撃する中国企業との間で熾烈な競争を展開している。
では韓国社会として見た場合はどうだろうか。経済水準が全般的に大きく底上げされ、韓国が非常に豊かな国になったのは歴史的事実である。初期先進国の仲間入りを成し遂げたと見なすことも可能だ。しかし国内での経済格差はますます拡大し、豊かさを実感できるグループとそうでないグループとの間には少なからぬ摩擦が存在している。本講義では、歴史的な環境変化の中で財閥を中心とする韓国社会がどのような変容を遂げつつあるのか、今後の展望も含めて考察していく。
授業シラバス
主題と目標/授業の手法など
韓国における経済発展の基本構造はどのようなものだったのだろうか。1960年代からの国家主導の開発経済体制の中で急速な工業化を成し遂げたのに続き、1987年の民主化宣言、1997年のIMF経済危機、2008年の世界金融危機を経てダイナミックに変化した。政府が強力なリーダーシップを発揮し経済運営をコントロールする官治経済体制は、もはや有効性を喪失して久しい。国内市場の開放、高賃金国家への移行は韓国経済の基本的枠組みを根本から変え、グローバル化の影響はそうした動きを一層速めている。サムスン電子や現代自動車、ポスコに代表される韓国発のグローバル企業は、世界を舞台に先進国企業や後方から急速に追撃する中国企業との間で熾烈な競争を展開している。
では韓国社会として見た場合はどうだろうか。経済水準が全般的に大きく底上げされ、韓国が非常に豊かな国になったのは歴史的事実である。初期先進国の仲間入りを成し遂げたと見なすことも可能だ。しかし国内での経済格差はますます拡大し、豊かさを実感できるグループとそうでないグループとの間には少なからぬ摩擦が存在している。本講義では、歴史的な環境変化の中で財閥を中心とする韓国社会がどのような変容を遂げつつあるのか、今後の展望も含めて考察していく。
教材・参考文献
教材は特に定めないが、毎回の授業についてはレジュメを準備するので、各自準備の上出席されたい。なお授業時には適宜配布資料を準備する。
(主要参考文献)
1.古田博司, 小倉紀藏編『韓国学のすべて』新書館, 2002
2.小倉紀蔵編『現代韓国を学ぶ』有斐閣, 2012
3.石坂浩一, 福島みのり編著『現代韓国を知るための60章』明石書店, 2014
4.片山裕, 大西裕編『アジアの政治経済・入門』有斐閣, 2010
提出課題・試験・成績評価の方法など
①出席状況、②学期末レポート(定期試験の代わりに実施)の総合評価による。
履修上の注意
朝鮮語資料を使用する場合がある。一定の朝鮮語能力があることが望ましい。
授業計画
第1回 イントロダクション 植民地解放〜李承晩時代
解放、国家成立、朝鮮戦争、戦後復興、財閥の生成
第2回 革命の時代
1960学生革命、1961軍事革命、財閥の試練
第3回 朴正熙時代①
1960年代、経済開発5ヶ年計画、日韓国交正常化、ベトナム戦争
第4回 朴正熙時代②
1970年代、維新体制、開発独裁、重化学工業、経済力集中、財閥の発展
第5回 全斗煥時代
1980年代、新軍部、第5共和国、NIESの優等生
第6回 盧泰愚時代
1980年代、民主化宣言、第6共和国、ソウルオリンピック、前政権バッシング
第7回 金泳三時代〜金大中時代①
世界化、経済破綻、IMF経済危機、経済再建
第8回 金大中時代②
財閥改革、大宇・現代を巡る問題
第9回 盧武鉉時代〜李明博時代
サムスンを巡る問題
第10回 李明博時代〜朴槿恵時代
経済民主化、反財閥情緒、大韓航空・ロッテを巡る問題
第11回 朴槿恵時代
崔順実ゲート、大統領弾劾・罷免と韓国社会
第12回 文在寅時代
建国史観・積弊清算と日韓関係
第13回 まとめと振り返り(1)
韓国と北朝鮮
第14回 まとめと振り返り(2)
経済と反財閥
第15回 まとめと振り返り(3)
若者と世論
15回目に相当するその他の授業計画
授業内容の総括と整理