A1102
研究会Ｂ
SEMINAR B 		研究プロジェクト科目
Research Seminars
2 単位

日本政治外交研究（JPD）ベーシック＆アドバンスト―日本のなかの日本、世界のなかの日本
Political Development and Diplomacy in Japan

開催日程 秋学期 火曜日４時限
担当教員 清水 唯一朗（シミズ ユイチロウ）
関連科目
授業形態 ディスカッション、グループワーク、演習
履修者制限
履修条件

使用言語 日本語
連絡先 yuichiro@sfc.keio.ac.jp
授業ホームページ http://007.sfc.keio.ac.jp/
設置学部・研究科 総合政策・環境情報学部
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数
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GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/09/04 12:49:39

研究会概要

目的・内容

*【この研究会の目的―日本の政治、外交を自分のことばで論じる】（9月4日更新）*

　この国のことを、私たちはどれだけ理解できているだろうか。「世界が民主主義の困難に直面するなか、なぜ日本の政治は安定しているのか」。各国の政治学者、日本研究者と交流するなかで、よく聞かれる質問です。1993年以後の「失われた20年」、そして2009年、2012年の二度の政権交代を経て、日本政治のすがたは大きく変わった。安定を支えた長期政権が終わり、今後の展開が注視される。

　もっとも、課題は山積しています。これを内在的に理解し発信することが求められているといえる。世界各地で「民主主義の困難」が叫ばれるなか、わたしたちは日本政治からなにを学び、どう変え、どのように発信していくことができるのだろうか。

　こうして日本の政治外交（近代・現代）のすがたを考えるとき、そこには当然にして必要となる基礎的な知識と構造への理解がある。しかし、そうした知的基盤はどれだけ共有されているのだろうか。必要な基礎がおざなりでは、せっかくの創造も根なし台なしになりかねない。借りものの理解や都合のよいデータではなく、自分自身の頭で考え、判断するための足場、スタンスを獲得することが必要となる。

　そこで、この研究会では日本の政治外交を題材に、そこに現れる問題の構造を体系的に理解することを目標とする。経緯、制度、人物を切り口として、政治学・歴史学のすぐれたテキストを材料に議論をおこない、自らの考える基盤をつかむ。そのうえで、体系的な理解に基づいた分析と発信を行うための演習を重ね、日本の政治外交を自分のことばで論じられる地頭を作り上げていく。

*【本年度の概要―政治学と日本政治を知り、自分のプロジェクトにつなげる】*

　ここ数年、日本政治に関する優れたテキストや新書が数多く刊行されている。春学期はこれらを読み進めて、政治学と日本政治の基礎的な理解を深めていく。そののち、現代の構造を理解し分析する力を身につけるため、実態と理論からアプローチする演習を重ねていく。
　秋学期はその基盤を踏まえ、自らの問題関心にあわせたイシューを選び、それぞれの研究に取り組んでいく。

*【研究会のアプローチ、進め方】*

　研究会はメンバー全員によるディスカッションを中心に進みます。対象となることがらが持つ経緯、制度、結果、そして人物を総合的にとらえ、を確立し、政治学と歴史学、制度と実態を架橋した、動的な日本政治外交理解（JPD, Japanese Political Development）の獲得を目指します。これまでの個人研究テーマなどはゼミWEB（ [http://007.sfc.keio.ac.jp/index007.html] ）を参照してください。その他、不明な点は担当者までどうぞ。

　参考：SFC CLIPさんによる記事　自分の頭で考える 清水唯一朗研究会「JPD」 [http://sfcclip.net/column2012062904]

*【世界のなかの日本研究をめざして】*

　2015年にボストン留学から帰国して以来、日本研究を軸にした国際交流、発信にも重点を置いています。2019年度は以下の方々と交流しました。今年も同様に行っていく予定です。

- 4月　リーベン・ゾーレンさん（ベルギー・KUルーベン大学、日本メディア論）ゼミ
- 4月　選挙報道体験（神奈川県知事選挙）
- 5月　アンドレア・レヴァラント先生（ヴェネツィア大学、日中関係論）特別講義、ゼミ
- 5月　ニューヨーク・マンハッタンカレッジの日本ツアーをアテンド。
- 6月　ヒロム・ナガハラ先生（マサチューセッツ工科大学、日本文化論）特別講義、ゼミ
- 7月　コーレー・ウォレス先生（ベルリン自由大学、現代日本政治）特別講義、ゼミ
- 7月　選挙報道体験（参議院議員選挙）
- 9月　台湾合宿。国立政治大学日本研究プログラム、国立台湾大学日本研究中心との学生交流ゼミ、フィールドワーク
- 9月　吉野作造記念館人材育成研修会＠宮城県
- 11月　ヤン・シュミット先生（ベルギー・KUルーベン大学）特別講義
- 11月　沖縄県高校生進学プログラム＠三田
- 12月　GIGA生向けKenkyukai Orientationに出展
- 2月　立命館大学政策科学部突破力養成ゼミとのインゼミ

*【オープンなゼミ(2018年度から実施)】*

　2018年度から、外部ゲストメンバーの単回参加をはじめました。昨年はメディア、官僚、自治体、若手研究者の方々が参加されました。
　外部ゲストメンバーが参加された日はゼミ終了後に交流会を開き、ゲストのみなさんに現場でのお話を伺っています。

（写真は、12月に行われる恒例の横浜ツアーでのひとこま）
　

　English Version to be announced.

評価方法

　出席、報告、討論をはじめとするコミットを総合的に評価します。

　Assess your commitment comprehensively.

教材・参考文献

＜題材候補の文献＞

ひとまずのリストです。メンバーの方向性にあわせて、このあたりを中心によいものを取り上げていきます。

# ＜政治学・日本政治のテキスト＞

- 永井史男ほか『政治学入門』ミネルヴァ書房、2019年
- 久米郁男ほか『新版　政治学 (New Liberal Arts Selection)』有斐閣、2011年
- 上神貴佳ほか編『日本政治の第一歩』有斐閣、2018年
- 清水唯一朗ほか『日本政治史』有斐閣、2020年

# ＜現代からよみとく＞

- 待鳥聡史『代議制民主主義―「民意」と「政治家」を問い直す』中央公論新社（中公新書）、2015年
- 坂井豊貴『多数決を疑う―社会的選択理論とは何か』岩波新書、2015年
- 曽我謙悟『現代日本の官僚制』東京大学出版会、2016年
- 川人貞史『議院内閣制』東京大学出版会、2015年
- 吉川洋『高度成長』中公公論新社（中公文庫）、2012年
- 増田寛也『地方消滅』中央公論新社（中公新書）、2014年
- 大森弥『官のセクショナリズム』東京大学出版会、2006年
- 北村亘『政令指定都市』中央公論新社（中公新書）、2013年
- 谷口正紀『政治とメディア』東京大学出版会、2015年
- 毛利透『統治構造の憲法論』岩波書店、2014年
- 井手英策『日本財政　転換の指針』岩波新書、2015年
- 前田健太郎『市民を雇わない国家』東京大学出版会、2014年
- 服部龍二『日中国交正常化』中央公論新社（中公新書）、2014年
- 宮城大蔵『戦後日本外交史』中公新書、2016年
- 桜澤誠『沖縄現代史』中央公論新社（中公新書）、2015年
- 山本昭宏『核と日本人―ヒロシマ・ゴジラ・フクシマ』中央公論新社（中公新書）、2015年

# ＜歴史からよみとく＞

- アーネスト・メイ『歴史の教訓』岩波書店（現代文庫）、2004年
- 北岡伸一『日本政治史』有斐閣、2011年
- 薬師寺克行『現代日本政治史』有斐閣、2014年
- Andrew Gordon"A Modern History of Japan: From Tokugawa Times to the Present", Oxford Univ Press, 2013
- ケネス・パイル『欧化と国粋』講談社学術文庫、2013年
- 清水唯一朗『近代日本の官僚』中央公論新社（中公新書）、2013年
- 清水唯一朗『政党と官僚の近代』藤原書店、2007年
- 清水唯一朗「近代」『日本史の論点』中央公論新社（中公新書）、2018年
- 戸部良一『外務省革新派』中央公論新社（中公新書）、2014年
- 福永文夫『日本占領史』中央公論新社（中公新書）、2014年
- 村井良太『政党内閣制の展開と崩壊』有斐閣、2014年
- 福永文夫・河野康子編『戦後とは何か』上・下、丸善出版、2014年
- 山本正身『日本教育史』慶應義塾大学出版会、2013年

# ＜人物からよみとく＞

- 村井良太『佐藤栄作』中央公論新社（中公新書）、2019年
- 服部龍二『中曽根康弘』中央公論新社（中公新書）、2015年
- 早野透『田中角栄』中央公論新社（中公新書）、2013年
- 福永文夫『大平正芳』中央公論新社（中公新書）、2008年
- 古川隆久『昭和天皇』中央公論新社（中公新書）、2011年
- 瀧井一博『明治国家をつくった人々』講談社（現代新書）、2013年
- 瀧井一博『伊藤博文』中央公論新社（中公新書）、2010年
- 北岡伸一『後藤新平』中央公論新社（中公新書）、2014年
- 御厨貴編『増補版　歴代首相物語』新書館、2013年

# ＜研究の方法を学ぶ＞

- 秋吉貴雄ほか『公共政策学の基礎［新版］』有斐閣、2015年
- 秋吉貴雄『入門　公共政策学』中央公論新社（中公新書）、2017年
- 保城広至『歴史から理論を想像する方法』勁草書房、2014年
- P. ピアソン『ポリティクス・イン・タイム』勁草書房、2010年
- 久米郁男『原因を推論する−政治分析方法論のすすめ』有斐閣、2013年
- 岩崎正洋編『政策過程の理論分析』三和書房、2012年

関連プロジェクト

課題

以下の３点を担当者までメールにて送付し、面談のアポイントを取ってください。

1. なぜこの研究会に入りたいのか（理由、テーマなど）
2. 私はどんなひとか、なにをしてきて、なにをしたいのか
3. これまで読んできた本のリスト

　Send email and make an appointment for interview.
　Write these three contents.

　1. Reason for join this seminar.
　2. Self-introduction
3. Book list

来期の研究プロジェクトのテーマ予定

　春学期は、これらを読み進めて、政治学、日本政治の基礎的な理解を深めます。そののち、現代の構造を理解し分析する力を身につけるため、実態と理論からアプローチする演習を重ねていきます。

　Deal specific issue which you would like to make a research.

その他・留意事項

希望者参加型のプログラムとして以下のものを予定してます。

# おそらく今年も開かれるもの

- インゼミ（立命館大学、政治大学・台湾大学（台湾）など）
- 日本研究者との国際交流（ドイツ、ベルギー、中国、台湾、韓国を予定）
- 社会人セッション（官僚、メディア、企業人などによる特別講義）
- 吉野作造記念館人材育成研修会（9月、宮城県。東大、東北大、京大などとのインカレ）
- 横浜開港資料館トリップツアー（12月）
- 選挙報道体験（2019年は参議院選挙、神奈川県知事選挙で実施）

# 希望者があれば開くもの

- 霞ヶ関〜永田町トリップツアー（春ごろ）
- 神田神保町ブックトリップツアー（10月頃）

授業スケジュール