B6015
ライティング技法ワークショップ
WRITING SKILLS WORKSHOP
創造実践科目
Creative Courses (Practice)
2 単位
実施形態 完全オンライン
開催日程 秋学期 火曜日3時限
担当教員 斎藤 俊則(サイトウ トシノリ)
関連科目
開講場所 SFC
授業形態 講義、実習・演習、グループワーク
履修者制限

履修人数を制限する

受入学生数(予定):約 50 人
選抜方法:システムによる選抜(抽選)

◯エントリー〆切日時:2020年9月28日(月) 17:00
◯履修許可者発表日時:2020年9月30日(水) 17:00

Only the selected students can take this course.

Number of students in the class (scheduled) : About 50
Automatic Screening (Lottery)

* Schedule: TBD

履修条件

使用言語 日本語
連絡先 t-saito@gred.seisa.ac.jp
授業ホームページ
同一科目

学生が利用する予定機材/ソフト等

設置学部・研究科 総合政策・環境情報学部
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数 0
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GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/07/20 20:15:43

科目概要

この講座は文書の作成に必要な技能や考え方を、実践を通して学ぶことを目的とします。文書の作成を「情報の生産」に至る過程の一段階として位置づけたうえで、特に情報の構造化と伝達に関する方法論を多く取り上げます。情報の構造化に関しては要求分析とアウトライン作成とを中心に、書くべき事柄を発見しかつ文書として形にする作業を実践します。 情報の伝達に関してはパラグラフライティングの考え方に倣って、読み手が効率的かつ誤解なく伝達内容を読み取ることのできる表現方法の習得を目指します。授業ではグループディスカッションを行い、相互レビュー(互いに相手の文書を批評し助言を与えあう活動)やオンライン上での学習過程の公開などにも取り組みます。

授業シラバス

主題と目標/授業の手法など

この講座は文書(情報社会にふさわしい文書、仕事のための文書)の作成に必要な知識・技能・発想を、講義と演習によって習得させることを目的とします。文書の作成を「情報生産」の過程として位置づけ、特に情報の構造化と、効果的な伝達を踏まえた表現方法に関わる方法論を取り上げます。前者については主に要求分析とアウトライン作成とを中心に、書くべき事柄を発見しかつ文書として形にする作業を実践します。後者に関してはパラグラフライティングの考え方に倣って、読み手が効率的かつ誤解なく伝達内容を読み取ることのできる表現方法の習得を目指します。さらに授業では、グループディスカッションによる相互レビュー(互いに相手の文書を批評し助言を与えあう活動)やオンライン上での学習過程の公開などにも取り組みます。
 授業運営は「学習者中心」を基本原則とします。この授業における学習とは「学習者が教員の示す事柄に触発されながら、自ら試行錯誤を通じてライティングに必要な知識・技能・発想を習得する方法を考案し、実践すること」を意味します。教員は講義を通じてライティングに関して学習すべき事柄と学習の要求水準を示します。学生は学習者として、講義によって示された事柄と要求水準に準拠しながら、演習と発表を通じて知識・技能・発想の習得方法を自らデザインし、自己評価し、その都度学習を深めます。この点をよく了解の上履修してください。

教材・参考文献

木下是雄, 『レポートの組み立て方』, ちくま学芸文庫, 1994年.

提出課題・試験・成績評価の方法など

以下の項目によって評価を決めます。
・提出物(平常課題など)
・授業への貢献(グループディスカッションなど)
・最終課題(レポート)

履修上の注意

以下の履修条件をすべて満たす人のみに履修を許可します。
・平常時に課される課題にしっかり取り組むことを約束できる人
・グループディスカッションによる相互レビューに前向きに取り組むことを約束できる人

授業計画

第1回 導入・この科目について

履修候補者にこの科目の全体像を伝えることを目標とします。特にこの科目の目的と教育目標、評価方法、及びこの科目を履修するにあたっての諸注意を伝達します。


第2回 情報社会にふさわしいライティング技術とは

「情報社会にふさわしいライティング技術のあり方」という問題設定を共有することを目標とします。特に情報社会における文書(ドキュメント)の位置、情報技術の利用の前提化がライティングに及ぼす影響、情報のインデックス性を実現するライティング技術等について講義を行います。


第3回 パラグラフライティング

パラグラフライティングの必要性及びその要点を理解させること、パラグラフの構成要素を意識して文章を読めるようにすること、「結論先行」の原則に従ったパラグラフの構成法を理解させること、の3点を目標に講義と演習を行います。


第4回 情報生産の工程 / 【分析工程1】要求分析

情報社会において「仕事のための文書」を作成することの意味を情報生産の観点から理解させること、文書作成を事例に情報生産の標準的な工程の全体像を認識させること、分析工程の作業としての要求分析の実施に必要な手順と着眼点を習得させること、の3点を目標に講義と演習を行います。


第5回 【分析工程2】ミッションの記述

ミッションの意味とそれをあらかじめ定義すべき理由を理解させること、ミッションを定義する際の留意点を理解させること、分析工程の目的、手順、意義を再認識させること、の3点を目標に講義と演習を行います。


第6回 ノンリニアライティングの技術

メディアの特性とライティングとの関係に注目し、その相互の関係を理解させること、従来のライティングにおけるリニア(直線的)な時間性の制約について意識を喚起すること、情報技術によって可能になる、リニアな時間性にとらわれないライティング技法をKJ法等の事例を通して習得させること、の3点を目標に講義と演習を行います。


第7回 【設計工程1】概念と実体の設計

文書作成における設計工程の必要性を理解させること、文書作成における「概念レベルの設計」を実行できるようにすること、文書作成における「実体レベルの設計」を実行できるようにすること、の3点を目標に講義と演習を行います。


第8回 【設計工程2】トップダウンの設計法と論理の展開

トップダウンの文書設計を発想できるようにすること、妥当な論理展開に基づく文書設計をできるようにすること、重点先行の考え方に基づく文書設計をできるようにすること、の3点を目標に講義と演習を行います。


第9回 【執筆工程1】事実と意見の書き分け

仕事の文書において「事実と意見を峻別して示すこと」の重要性を理解させること、事実と意見を区別する基準を理解させること、事実と意見を書く際のそれぞれの表現上の留意点を理解させること、の3点を目標に講義と演習を行います。


第10回 【執筆工程2】文章作成の留意点

パラグラフ・ライティングにおいてふさわしい文章のあり方を理解させること、英語の「5文型」の訳文との比較から文章の構成要素を見直す視点を習得させること、日本語の文において陥りがちな難点に留意しつつ文章を修正できるようにすること、の3点を目標に講義と演習を行います。


第11回 【評価工程1】レビューの意味と方法

評価(レビュー)を行うことの意味を理解させること、評価の諸手順を意味を理解しながら実行できるようにすること、評価者の異なる3つのレビューの意味の違いを理解させること、の3点を目標に講義と演習を行います。


第12回 講義のまとめ

この科目の全体を振り返って学習内容の総括を行います。また、最終課題の提出に至る手続き的な詳細の説明を合わせて行います。


第13回 自習課題1

授業中に指示する参考資料を手掛かりに、情報を扱う上での倫理規範及び著作権を中心とする情報の使用や公開に関わる法令を自習する。


第14回 自習課題2

授業中に指示ずる参考資料を手掛かりに、引用の作法や表記法などの文書作成に関わるアカデミックスキルを自習する。


第15回 自習課題3

講義内容を手掛かりに、各自で一定水準の学術的な内容を持つ文献を選び文章表現に関する分析と批評を行う。


15回目に相当するその他の授業計画

* まとめ* 「情報社会における仕事のための文書」のあり方について正しい像を描けるようにすること、そのような文書を作るための4工程の作業内容とそれぞれの工程の意義を再確認させること、情報社会において文書作成を学ぶことの意義を再確認させること、の3点を目標に講義を行います。