C1133
インドネシア文化論
INDONESIAN CULTURAL STUDIES
先端科目-総合政策系
Advanced Subjects - Series of Policy Management
2 単位
実施形態 完全オンライン
開催日程 秋学期 金曜日3時限
担当教員 野中 葉(ノナカ ヨウ)
関連科目 前提科目(関連): 15451,15252,15251,15051
開講場所 SFC
授業形態 講義
履修者制限

履修人数を制限する

受入学生数(予定):約 50 人
選抜方法:課題提出による選抜

【課題内容】
履修希望理由を800字程度で記入しなさい。

◯エントリー〆切日時:2020年9月28日(月) 17:00
◯履修許可者発表日時:2020年9月30日(水) 17:00

◯テキスト入力

Only the selected students can take this course.

Number of students in the class (scheduled) : About 50
Pre-registration screening by submitted an assignment

【ASSIGNMENT】
履修希望理由を800字程度で記入しなさい。

* Schedule: TBD

履修条件

なし

使用言語 日本語
連絡先 yon@sfc.keio.ac.jp
授業ホームページ not available at the moment
同一科目

学生が利用する予定機材/ソフト等

設置学部・研究科 総合政策・環境情報学部
大学院プロジェクト名

大学院プロジェクトサブメンバー

ゲストスピーカーの人数 0
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履修選抜・選抜課題タイプ=ファイル登録可 false
GIGAサティフィケート対象
最終更新日 2020/07/22 10:43:06

科目概要

 本授業の目的は、様々な変化が生じている現代インドネシアの様々な事象を検証し、インドネシア社会を理解することにある。
 現代のインドネシアは、1998年にスハルト権威主義体制が崩壊して以降、民主化と共に、経済成長も目覚ましい。また一方で、民主主義が定着し始めた社会において、イスラームが顕在化し、社会の様々な側面で力を発揮してきている。
 授業では、個別の事例を検証しながら、このような特徴を持つインドネシアの実態や、社会の変化の様子を明らかにしていきたい。
 授業で直接扱うのは、インドネシア社会であるが、類似の特徴を持つ、あるいは同様の変化を経験しているアジアの新興国や、混乱が続く中東イスラーム世界など、他の地域の事例も視野に入れつつ、話を進めていきたい。

授業シラバス

主題と目標/授業の手法など

 本授業の目的は、様々な変化を経験している現代インドネシアの様々な事象を検証し、インドネシア社会を理解することにある。
 現代のインドネシアは、以下の点で非常に特徴的な国である。
1)1998年に、それまで30年以上にわたり続いたスハルト権威主義体制が崩壊して以降、民主化に向けたプロセスが進行した。民主主義への移行がある程度成功した国として、国際的に知られる国になりつつある。
2)民主化と並行して、近年では、経済発展が目覚ましく、人々の生活水準が向上して中間層が台頭した。巨大なマーケットを狙い、日本も含めた世界各国の企業が、進出し始めている。
3)イスラームが人口の8割以上を占めるインドネシアでは、民主化と経済発展に伴い、宗教が衰退することなく、むしろ人々の紐帯としての役割を担い、社会の様々な側面で、顕在化してきている。イスラームに関連する商品やサービスが、「イスラーム・マーケット」と呼ばれ、活況を呈している。一方で、キリスト教徒や華人など、非イスラーム教徒との共存、宗教的不寛容の撲滅など、解決すべき課題は大きい。
 授業では、個別の事例を検証しながら、このような特徴を持つインドネシアの実態や、社会の変化の様子を明らかにしていきたい。
 授業で直接扱うのは、インドネシア社会であるが、類似の特徴を持つ、あるいは同様の変化を経験しているアジアの新興国や、混乱が続く中東イスラーム世界など、他の地域の事例も視野に入れつつ、話を進めていく。インドネシアはもとより、他のアジアの新興国や中東イスラーム世界に興味がある学生の参加も、大いに歓迎する。
授業は講義形式。前半(第5回まで)では、現代に至るまでのインドネシア社会(政治経済も含む)の変遷を、歴史的に論じる。後半(第6回以降)では、現代インドネシア社会に台頭するイスラームに関連して、様々な事例を取り上げ、現代国家と宗教の関係、現代社会におけるイスラームの役割を考えてみたい。

教材・参考文献

(主な参考文献)
倉沢愛子編『消費するインドネシア』慶應義塾大学出版 2013
佐藤百合『経済大国インドネシア』中公新書 2011
野中葉『インドネシアのムスリムファッション』福村出版 2015、
増原綾子『スハルト体制のインドネシア 個人支配の変容と1998年政変』東京大学出版会 2010
見市建『新興大国インドネシアの宗教市場と政治』NTT出版 2014
その他の参考文献は、授業で適宜紹介。

提出課題・試験・成績評価の方法など

授業参加、毎回の授業後のコメントフォーム入力、期末レポートで評価します。

履修上の注意

授業計画

第1回 はじめに

授業の説明、イントロダクション


第2回 インドネシアの建国

地理的・歴史的特性、建国理念パンチャシラ


第3回 スハルト体制の光と影

開発優先政策による経済成長、生活の安定、教育水準の向上。一方で、反対勢力に対する徹底的な弾圧、富の集中


第4回 レフォルマシ(改革)の実現

スハルト体制の終焉、民主化に向けた制度改革、選挙制度改革と選挙の実施


第5回 経済成長の実現、中間層の出現

大国としての自信、ライフスタイルの変容、ソーシャルメディアの発展、疑似中間層の出現、いびつな発展


第6回 イスラームの顕在化

インドネシアの宗教、公共宗教の理論


第7回 ムスリマのヴェールと服装①

ジルバブ着用運動、ファッションとしてのヴェール


第8回 ムスリマのヴェールと服装②

ジルバブ着用運動、ファッションとしてのヴェール


第9回 大学ダアワ運動のひろがり

世俗大学のエリート学生たちのイスラームへの傾倒、社会への影響


第10回 政治的イスラームの台頭と停滞

イスラーム政党の成長と停滞、イスラーム主義、「アラブの春」との関連


第11回 宗教対立、不寛容

宗教的不寛容の拡大、イスラーム的解決の模索


第12回 イスラーム的文学、イスラーム的映画

「イスラーム的なことは良いこと」という価値観の醸成、共有


第13回 イスラーム・マーケット①

ハラール・ビジネス、ムスリム観光、日本とインドネシアの新しい関係


第14回 イスラーム・マーケット②

ハラール・ビジネス、ムスリム観光、日本とインドネシアの新しい関係


第15回 まとめと今後の展望


15回目に相当するその他の授業計画

まとめと今後の展望