2020年秋学期 - 情報法 / INFORMATION LAW
|
C1062 情報法 INFORMATION LAW |
先端導入科目-総合政策-公共政策 Frontier Courses (Intermediate) - Policy Management - Public Policy 2 単位 |
| 実施形態 | 完全オンライン |
| 開催日程 | 秋学期 火曜日３時限 |
| 担当教員 | 新保 史生（シンポ フミオ） |
| 関連科目 |
前提科目（推奨）: B6127,C1155,C1154,C1153,C1060,C1061,C1055,C1054 前提科目（関連）: B6074,B6076,C1058,C1059,C1074,C1075,C1076,C1097,C2098,C1053,B6075,C1062,C1077 |
| 開講場所 | SFC |
| 授業形態 | 講義 |
| 履修者制限 |
履修人数を制限する Only the selected students can take this course. |
| 履修条件 | |
| 使用言語 | 英語 |
| 連絡先 | lecture@shimpo.org |
| 授業ホームページ | |
| 同一科目 | |
| 学生が利用する予定機材/ソフト等 |
Webex又はZoomでオンライン講義を実施できる環境 Preparation to participate in online lectures with Webex or Zoom |
| 設置学部・研究科 | 総合政策・環境情報学部 |
| 大学院プロジェクト名 | |
| 大学院プロジェクトサブメンバー | |
| ゲストスピーカーの人数 | 0 |
| 履修選抜・課題タイプ=テキスト登録可 | true |
| 履修選抜・選抜課題タイプ=ファイル登録可 | false |
| GIGAサティフィケート対象 | true |
| 最終更新日 | 2020/08/12 14:32:10 |
科目概要
ネットワーク社会において新たに発生するようになった法的諸問題を総合的に学びます。
本講義の内容は、社会の情報化と新たな法律問題の出現について、情報の取扱いに伴う法的責任として違法情報・権利侵害情報・有害情報の規制、不正アクセスやコンピュータ・ウィルスをはじめとするネットワーク犯罪への対応、電子政府推進のための施策、電子商取引にまつわる問題、クラウド・コンピューティング、ＳＮＳ、スマートフォンの利用に伴う法的問題など、ネットワーク社会における法的諸問題の現状と対応を講義します。
また、人工知能（AI）、ロボット、IoTの利用に伴う法的課題について「ロボット法」の講義も行います。
The progress of a networked society has brought about not only daily electronic commerce but also an accompanying industrial structure, as well as great change in our social lives. On the other hand, new problems have arisen in our current network society and various legislation has been enacted in order to address these issues. In this class, I will explain some legal structures related to cyber law using current IT-related legislation and I will give lectures on how to deal with these legal issues in our network society based on some related examples. Some legal issues of our network society such as the invasion of privacy, defamation, the infringement of personal rights and interests, the problems related to infringement of intellectual property rights such as copyright infringement, cybercrime such as unauthorised access, illegal and harmful content issues will be described in detail.
Furthermore, this class will focus on the structure of Japanese Law and will comprehensively convey knowledge of the Japanese legal system. In democratic societies, society functions effectively on the basis of laws and regulations. In Japan, these laws and regulations are constituted from several sources. These are The Constitution, The Statutory Laws, Delegated Legislation, International Treaties, Judge-Made Law, Circulars (Tsutatsu), Administrative Guidance, Local Regulations and Customary Law.
授業シラバス
主題と目標／授業の手法など
社会の情報化とネットワーク化の進行は、電子商取引の普及をはじめとして産業構造のみならず社会生活に多大な変化をもたらしています。その一方で、ネットワーク社会では新たな問題が生じており、それらに対応するために様々な法整備が行われています。本講義では、ＩＴ関連の法整備の現状から個別の法律について解説し、ネットワーク社会における法的諸問題への対応を具体例を踏まえて講義します。
ネットワーク社会において新たに発生するようになった法的諸問題への対応を、変貌が著しい法現象を実感しながら学びましょう。
In this class, we will study legal issues related to our network society and basic knowledge regarding Japanese Law. Following this, students will have to submit assignments about these basic issues and give presentations based on the content of the textbook referred to in the Textbook Section.
教材・参考文献
Textbook: Oda Hiroshi, Japanese Law, Oxford University Press, 2011.
提出課題・試験・成績評価の方法など
講義内における小テストにより評価します。
Each week, each student in turn, will be allocated a chapter of the textbook which will form the basis of a Power Point presentation to be given to the rest of the student group.
Assessment of the class will be based on each student's presentation and on the quality of questioning in Q&A sections of the classes.
履修上の注意
小テスト実施日の欠席について、個別の事情に応じてレポート課題など代替措置は講じていませんのでご注意ください。
出席はとらないため、特別な事情があって欠席する場合であっても、欠席理由の連絡は不要です。
Using the text book 'Japanese Law',(Oda Hiroshi, Oxford University Press, 2011), students are to:
(1) describe the laws and regulations of each assigned chapter via PowerPoint slides;
(2) survey the current laws and regulations related to each assigned chapter, introducing both the abstract and the content of each. In preparing for your presentations, you must not allow any overlapping or repetition of current Japanese Laws and Regulations.
授業計画
第1回 ネットワークにおける法律問題の現状
[The Basis of the Legal System]
※講義の受講にあたっての連絡・注意事項
・ネットワーク社会と法
・インターネットにおける法律問題の概要について
・社会の情報化と新たな法律問題の出現
The Sources of Law
The Administration of Justice
The Legal Profession
The Protection of Human Rights
第2回 著作権法
[The Civil Code]
著作権法の基礎から近時の著作権法改正についての総合的解説
平成２１年改正から平成３０年改正までの改正内容を網羅
General Rules and Institutions of Private Law
Law of Obligations and Contracts
第3回 情報の取扱いに伴う法的責任（１）
[The Civil Code]
・違法情報・権利侵害情報・有害情報の規制
・違法情報の発信
・知的財産権の保護に関する法律に抵触する情報の発信
・不正アクセス禁止法に抵触する情報の発信
・無限連鎖講（ネズミ講）（特定商取引法に抵触する情報の発信）
・信用毀損・業務妨害にあたる情報の発信
・賭博・宝くじに関する犯罪にあたる情報の発信
・違法行為の請負・誘引に関する情報の発信
・わいせつ関連法規に抵触する情報の発信
・薬物関連法規に抵触する情報の発信
・振り込め詐欺関連法規に抵触する情報
・コンピュータ・ウィルス等の頒布
Property Law
Law of Torts
Family Law and Inheritance
第4回 情報の取扱いに伴う法的責任（２） 第1回小テスト
[Business-Related Laws]
・ネットワーク社会における権利侵害
・著作権侵害
・名誉毀損
・プライバシー侵害
・肖像権侵害
・プロバイダ責任制限法に基づく対応の現状
・情報の違法な取扱い
・不正アクセス禁止法に違反する行為
Corporate Law
Insolvency Law
Anti-Monopoly Law
Intellectual Property Law
Labour Law
第5回 個人情報・プライバシーの保護（１）
[Other Laws]
・個人情報保護制度の概要
・諸外国の個人情報保護制度
・個人情報保護とプライバシー保護の違い
・個人情報保護法（総論）
・個人情報保護法（個人情報取扱事業者の義務）
Civil Procedure
Criminal Law And Procedure
International Relations
第6回 個人情報・プライバシーの保護（２） 第2回小テスト
[Network society and legal issues]
・行政機関等個人情報保護法（総論）
・行政機関等個人情報保護法（行政機関、独立行政法人等の義務）
・地方自治体の個人情報保護条例
・個人情報保護マネジメントシステム（ＪＩＳ Ｑ １５００１）
・個人情報保護のための情報セキュリティ対策
・ビッグデータ活用のための政府の施策
・改正個人情報保護法の内容
・Outline of legal issues on the Internet
・Emergence of new legal issues
第7回 ロボット、AI、IoT
[Infringement of rights in a networked society]
・ロボット、AI、IoTと法
・Infringement of rights in a networked society
・Copyright infringement
第8回 情報セキュリティ
[Infringement of rights in a networked society]
・情報セキュリティに対する脅威
・情報セキュリティ確保の原則
・情報セキュリティの喪失原因
・情報に対する脅威とその影響
・脅威の顕在化
・マネジメントシステムを利用した対応
・ISMS適合性評価制度
・情報セキュリティ対策の現状
・Defamation
・Invasion of Privacy
第9回 サイバー犯罪の現状と類型 第3回小テスト
[Infringement of rights in a networked society]
・コンピュータ犯罪、ネットワーク犯罪の定義と類型
・コンピュータ犯罪・ネットワーク犯罪の現状
・Current status of response based on the Limitation of Liability for Damages of Specified Telecommunications Service Providers and the Right to Demand Disclosure of Identification Information of the Senders Act
第10回 電子商取引と法
[Unauthorised Computer Access]
・電子商取引の推進のための法令
・電子商取引と契約
・電子データの交換による契約
・ＩＴ書面一括法
・電子署名法
・消費者契約法
・特定商取引法
・電子契約特例法
・消費者の操作ミスによる錯誤
・インターネット通販における分かりやすい申込画面の設定義務
・ウェブ上の広告表示の適正化
・Act on Prohibition of Unauthorised Computer Access
第11回 電子商取引にまつわる問題（オンライン取引） 第4回小テスト
[Data Protection and Privacy]
○ 契約手法に関する問題
・契約の成立時期（電子承諾通知の到達）
・ウェブサイトの利用規約の有効性
・なりすましによる意思表示のなりすまされた本人への効果帰属
・なりすましを生じた場合に認証を行った第三者の責任
・未成年者による意思表示
・管轄合意条項の有効性
・仲裁合意条項の有効性
○ 新たな取引の発展に伴う問題
・電子商店街（サイバーモール）運営者の責任
・インターネット・オークション
・オークション事業者の利用者に対する責任
・オークション利用者（出品者・落札者）間の法的関係
・インターネット・オークションにおける売買契約の成立時期
・「ノークレーム・ノーリターン」特約の効力
・インターネット・オークションと特定商取引法
・インターネット・オークションと景品表示法
・インターネット・オークションと電子契約法
・インターネット・オークションと古物営業法
○ インターネット上で行われる懸賞企画の取扱い
・Outline of personal information protection legal system
・Difference between personal information protection and the right to privacy
第12回 電子商取引にまつわる問題（情報財取引）
[Data Protection and Privacy]
○ ライセンス契約
・契約の成立とユーザーの返品の可否
・情報財が媒体を介して提供される場合
・情報財がオンラインで提供される場合
・重要事項不提供の効果
・契約中の不当条項
・契約終了時におけるユーザーが負う義務の内容
・契約終了の担保措置の効力
・ベンダーが負うプログラムの担保責任
・The Japanese Personal Information Protection Law
・What is GDPR,the EU's data protection legal system.
・The Right to Privacy
第13回 クラウド・コンピューティングと法/スマートフォン・プライバシー・イニシアティブ
[Robot, AI, IoT]
・クラウド・コンピューティングの利用と法的課題
・スマートフォン・プライバシー・イニシアティブの構造と内容
・The Evolution of Artificial Intelligence – Significance and Legal Implications
・The Relationship Between Robots, Artificial Intelligence and the Internet of Things
・Policy Trends regarding AI
第14回 ネットワーク社会における表現の自由をめぐる問題 第5回小テスト
[Robot, AI, IoT]
・ネットワーク上の表現と名誉毀損・侮辱
・掲示板やＳＮＳにおける発言と法的責任
・プロバイダ責任制限法に基づく削除請求
・フィルタリング技術の利用と法
・青少年インターネット環境整備法
・Robot Law Needs to Consider the Ideal Forms of Legal and Social Systems
第15回 講義の総括
[Overall Summary of this Course]
15回目に相当するその他の授業計画
* 新たな情報社会インフラについて
その他のトピック
・バイオメトリクス技術の現状と利用局面
・ロボットと法
・AIと法